新型コロナウイルスの影響で多くの業界での業績が大きく落ち込む中で、不動産も同じ状況となっています。
新築の不動産販売が良くない状況が数値として表れてきました。
不動産経済研究所が20日発表した4月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの発売戸数は前年同月比51.7%減の686戸だった。
単月の発売戸数では、1973年の調査開始以来、最少となった。
緊急事態宣言の発令を受け、モデルルームの営業休止が相次いだことが響いた。
引用:時事ドットコムニュース
すでに5月の発売戸数も前年同月比77.3%減の500戸と、引き続き大幅減を見込んでいます。
緊急事態宣言に関して、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)と北海道は継続の方針を固めたとされています。
新築不動産の販売できる条件がさらに厳しくなり、しばらくの間は売れ行きが伸びないと予想されます。
東京の不動産はバブル状態だった
オリンピック特需やインバウンド効果で東京の不動産価格が異常に上がり続けていました。
特にタワーマンションが多く建設されたエリアではここ数年の間で際立って人口増加していました。
- 中央区
- 千代田区
- 港区
15歳以下の人口増加に至っては千代田区、中央区、港区のいわゆる都心3区は圧倒的な結果となっており、多くの子育て世代が都心に流入してきたのです。
日本全体としては人口減少が進んでおり、それを反映して不動産価格は下落する傾向にありました。
しかし東京だけは特別で人口が増え続けているのです。
先ほどの都心3区や最近では台東区や江東区でも人口増加傾向にあり、マンション価格が3割値上がりした言われえています。
つまり東京の特定エリアだけがバブル状態だったということです。
今回の首都圏での不動産の販売不振により不動産価格への影響が出てくるのか注目されるところです。
テレワークが生活を変えた
コロナ禍で大きく変わるのは「働き方」です。もともと政府が「働き方改革」で柔軟な働き方を推奨をしていました。
その一つである「テレワーク」がコロナ禍により首都圏を中心に一気に広がりました。
実施されるはずだった東京オリンピック期間中はテレワークを推奨される予定でした。それも2週間程度の日数でした。
それが現時点で2か月以上のテレワーク状態になっています。最初は戸惑いながらもこのテレワーク生活が普通になったという人も多いのではないかと思います。
テレワーク継続で不動産評価に変化
このテレワークでの効率性、生産性があると言われる業種も出てきています。これを機会に「新しい働き方」を準備している企業も出始めています。
緊急事態宣言解除後もテレワークを継続することになれば都心のオフィス近くに住む必要がありません。地方でも住みながら仕事が十分にできるのです。
そのような企業が増えていけば、オフィス、住居において都心の不動産の変化が出てくるのは必然かと思います。
不動産価格がバブル価格ではなくなり安定することで、多くの人が購入できる機会が増えればと思います。