日本で一番空き家が多いのは「世田谷区」

世田谷区

全国の市区町村別空き家1番空き家が多いのは、東京都世田谷区という調査結果が出ました。東京都内ではなく全国規模で空き家が多いというのは意外です。ちなみに第2位は同じ23区の大田区になります。

 

等々力、深沢、成城など有名な高級住宅街が世田谷区にあることからこのイメージがあります。最近では二子玉川の雑賀開発によりタワーマンションなども建ちセレブな街としての印象があります。

 

また世田谷区には戸建てが多くある静かな住宅地があり、砧公園に代表されるように緑が多い場所も多数あるので住みやすく憧れのエリアの印象があります。

 

それでも「空き家」が多いのは何故でしょうか。

 

憧れの「世田谷区」はどんなところ?

世田谷はとにかく人口が多くて有名です。86万人を超える人口は23区中ではダントツの1位です。2位の練馬区(71万人)を大きく引き離しています。

 

世田谷区は、東京都23区の中でも屈指の広さと最多の人口を誇るエリアです。区は世田谷、北沢、玉川、砧(きぬた)、烏山(からすやま)の5つの地域に分けられています。

 

下北沢や三軒茶屋など若者にも人気のある街も世田谷区になります。また「サザエさん」のモデルとなった桜新町があことも有名です。

 

しかし東京育ちの高齢者にとっては世田谷は田舎のイメージが強いようです。漢字の通り「田」が多い地域だったようです。

 

なぜ「空き家」になったのか

空き家というイメージは、荒廃したような家屋をイメージするかもしれませんが実際には1年以上人が住んでいない物件のことを意味するようです。

 

転勤などで引越しを余儀なくされ、家自体も貸し出しができないとなると1年以上の空き家はすぐに出来てしまいそうな感じがします。

 

また空き家率が高いのは過疎化が進む地方の地域が高いと思っていましたが、実は管理不全の空き家が主要都市ほど深刻化しているということになります。

 

人気のある街では整備され、新しい住宅が建設されて華々しいイメージもありますが、実際には世帯数の増加以上に住宅は増えています。これが将来的に「空き家」になる理由の一つです。

 

人気がある街だから作り続ける不動産会社の「供給」と実際に住む人の人数の「需要」のバランスが合ってないことが原因です。

 

また戸建てや比較的小さい集合住宅が集まる地域で65歳以上の人口の割合が高い地域は「空き家率」が高いとされています。

 

また空き家になれば更地にすれば良いというイメージもありますが、課題が2つあります。

「空き家」になる理由
  • 固定資産税に関する課題
  • 再建築に関する課題

固定資産税に関する課題

住宅がない土地では固定資産税の特例がなくなり税率が6倍に増えてしまうこと、解体のために費用を要する点です。不動産所有者がお金を使って解体したのに税金が上がるのであればそのままの方が良いと判断して仕方がありません。

再建築に関する課題

古い空き家では、現行の建築基準法施行以前に建てられ、再建築が認められない土地になっているケースがあります。
再建築できないのですから売却も困難になります。

 

また世田谷区はエリアも広い分、高齢化している地域が確実に増えているということです。

 

「空き家」増加による課題

空き家が増加することにより、3つの課題が出てきます。

「空き家」増加による課題
  • 住宅自体の価値が下がり、売却が難しくなる
  • 近隣住民とのトラブルにつながる
  • 不法侵入や不法投棄により、犯罪の温床となる可能性がある

不動産の価値が下がっていくことは地域住民としても避けたいところですが、法令的な点を考えると改善するのが難しいのが現状のようです。

 

「空き家」問題の解決策はあるのか

空き家問題を解決するには、各不動産によってコンディションが異なるので、ベストな方法がまだ見出されていない感じです。

「空き家」問題の解決策
  • 空き家を売る
空き家を貸す
  • 空き家のまま管理
  • リノベーションして住む
  • 民泊用施設として利用する

これは個々の所有者の意識だけでは改善できず、国全体で規制緩和するなど中古住宅の価値を再認識していく必要があります。

 

今人気にある街は、急激に人口が増えたので将来一気に「空き家」が出る可能性がなくはありません。

 

不動産を購入する際は、現時点での評価ではなく「過去」から遡って継続的に住宅として商業地として栄えているエリアを選ぶのが賢明だと思います。

 

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