賃貸併用住宅は不動産投資として成立するのか

賃貸併用住宅は不動産投資として成立するのか

週末に向けて不動産関連の折り込みチラシも増えてきました。新築マンションは少なくなり、中古を含めた一戸建てのチラシが増えてきた印象です。

 

その中でもひときわ目立ったのが「賃貸併用住宅」です。3件も賃貸併用住宅可の案内チラシが入っていました。

 

都内で40~45坪クラスの土地が出てくると一戸建てにすると億単位の物件になり購入者が限定され、分筆するには小さすぎてできないような土地が出てきます。

 

そうなると合わせ技的に「賃貸併用住宅」で提案することになってきます。自宅を持ちながら賃貸収入を得られるという仕組みはメリットがあるように見えます。

賃貸併用住宅のメリットとは

「賃貸併用住宅」は一般的にも聞く言葉ですが、不動産投資の手法の一つでもあります。

 

自宅購入と同時に投資物件としての賃貸アパートを一緒に建てた物件です。入居者からみれば同じ敷地内に大家さんが住んでいる形になります。

 

一般的なアパート、マンションのような不動産投資とは異なるため、独自のメリットがあります。

賃貸併用住宅のメリット
  • 家賃収入によってローン返済ができる
  • 物件評価として相続税対策ができる
  • 固定資産税を軽減することができる
  • 住宅ローンで賃貸物件をもつことができる

不動産投資の際にハードルの一つとなる銀行からの融資においてはアパートを購入するよりも有利に働きます。

 

「住宅ローンの低金利で購入可能」「頭金も少なくても大丈夫」「属性が悪くても申し込み可能」など従来の不動産投資にはないメリットがあるのです。

 

また賃貸アパートからの収入があるので自宅のローン返済が可能となります。

 

賃貸併用住宅であれば経営が上手くいくと実質毎月の支払が0円、場合によっては毎月収入を受け取れる夢のようなプランに見えます。

賃貸併用住宅のデメリットとは

しかし一方で不動産投資としてみた場合は、それなりのデメリットがあります。

賃貸併用住宅のデメリット
  • 立地が良くないと成立しない
  • 賃貸運営に負荷がある
  • 売却が難しい

立地が良くないと成立しない

賃貸併用住宅ではありますが、実際には普通のアパート経営と同じです。

 

現在所有している土地または購入する土地が駅から近い、買い物に便利でないと成立しません。

 

通常の戸建てより広い土地が必要になりますので、初期コストもかかります。

 

また自宅部分を必要としますので、賃貸の戸数が減り同じ面積の土地でも賃貸収入が少なく利回りが低くなります。

賃貸運営に負荷がある

賃貸併用住宅は入居者との距離が必然的に近くなります。

 

自ら管理をして運用コストを減らすことも可能です。しかし家主と賃借人がすぐに連絡できるのでお互いのプライバシーまで侵食されるリスクもあります。

またトラブルになった場合は、管理会社経由ではなく直接対応しなくてはいけません。

 

以前、アパート会社の営業担当からオーナーと賃借人は可能な限り直接会わないほうが良いとも言われました。

 

入居者にも恵まれずにトラブル対処が多くなるようであれば、通常の生活にも影響が出てきます。

売却が難しい

賃貸併用住宅は、入居者のトラブルなどでアパート経営を辞めて売却してしまうと同時に自宅もなくなってしまいます。

 

自宅だけ残しても、通常より高いローン返済額は残り、固定資産税などの維持費も必要以上に支払わなくてはいけません。

 

普通のアパートであれば収益物件として購入する人はいますが、賃貸併用住宅の場合、利回りも低く単価も高いため、なかなか購入者が見つかりません。

また更地にするにしても借地借家法により賃借人が保護される傾向なので、立ち退きも難易度と時間がかかります。

通常の不動産投資のように拡張できない

賃貸併用住宅を持つと不動産投資のように拡張していくことが難しくなります。

 

不動産投資は、やはり拡張していく方向で進めていく方が大半かと思います。

 

しかし新たな融資として金融機関に相談しても「賃貸併用住宅」は収益性の低い物件として評価される傾向にあります。

 

また多額のローンを組んで購入したとみなされ、それが個人で借りることのできる与信枠の毀損となります。

 

そうなると今後新たに収益物件を購入できなくなる可能性が高いです。

 

普通に住宅として住むのであれば問題ないと思いますが、不動産投資としては、メリット以上にデメリットが目立つ賃貸併用住宅の実態です。

 

安易に土地も広く金利安く資産が持てます的なセールストークだけの判断で購入しないほうが良いと思います。

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