いま、不動産投資を始めるとして「築古戸建」や「築古区分マンション」を現金購入する方法があります。
「購入できる一棟モノ物件がない」「銀行からの融資が承認されない」など不動産投資初心者には条件が限られています。
そこで注目されているのが「築古」物件による不動産投資です。
数百万円の現金で購入できる不動産
東京郊外であれば、土地値以下の物件もあり数百万円で購入できる築古戸建物件もあります。
現金で購入できるほどの価格であれば、融資を受けることなく所有ができます。
銀行への返済金もないので、家賃がそのまま手元に残ることも大きな魅力です。
空き家などであれば表面利回りが10~20%となる場合もあります。
しかし築古で格安で売られている物件なので、そのままの状態では貸し出せません。
リフォームが大前提となる築古物件
そのままで貸し出すことができないのであれば、リフォームをするしかありません。
自宅などでリフォーム経験がある人ならまだしも、初めてリフォームをするのであれば、相当勉強しないといけません。
リフォーム業者に発注すればよい」という考えもありますが、リフォーム価格が業者によって大きな差が出ます。
業者で相見積もりをとるにしても「業者選定」「内容説明」などを考えると時間がかかります。
結果、想定以上にリフォーム代がかかってしまい、期待できる表面利回りの半分以下になってしまうこともあります。
DIYするという選択肢
ここで出てくるのが「自分でリフォームをする」という選択肢です。
SNSなどで「リフォームして貸し出す」という人もいるので、誰でもできるのではないかと考えてしまいます。
業者に発注するところを材料だけで済むので、数十万円のコストカットができます。
しかしこれもリスクがある方法です。
DIY好きの人であればまだ対応できますが、見よう見まねでできるほど簡単ではありません。
クロスの仕上げ一つだけでも、職人さんとの差がはっきり出てきます。
また想像以上に時間がかかることも覚悟しておく必要があります。
借主のクレームになる可能性がある
家族や友人の力を借りてなんとかリフォームが完成できたとしても、まだ安心ができません。
客付けにおいては「和室をフローリング」「アクセントクロス」などリフォーム済みとして案内できるため、他の築古物件とは差別化ができます。
しかし、実際に入居がついてから「クレーム」が出る場合があるのです。
「クロスの貼り方が雑」「床が浮いている」など言われてしまえば、その対応に追われてしまいます。
ましてや入居されてからだとクロスの張替えは現実的ではありません。
そうなれば、妥協点としては「家賃の減額」などで乗り切るしかありません。
「築古+リフォーム」は難易度の高い手法
現金で購入できたとしても「高額なリフォーム代」「家賃減額」などで想定したよりキャッシュフローが残らない可能性が高いです。
築古による不動産投資は、初心者にとって難易度のある手法なのです。
ましてやサラリーマンが「副業」感覚で始められるものではありません。
不動産やDIYに全ての時間を費やす覚悟がなければ始めることができない手法です。
「今は築古しかない」と言っている不動産投資家は、賃貸経営の経験値の高い方だと思います。