頭金10万円でできる不動産投資にメリットがない

不動産投資を「頭金10万円からできます」のような広告を見るようになってきました。10万円といえば定額給付金の金額です。経済が不安定になっている中では、非常に魅力的に感じる言葉です。

不動産投資は「金持ちがするもの」と思っていた人からすれば「10万円からできるのか」ということで、思わず問い合わせしたくなる内容です。

頭金10万円できる不動産投資ではメリットがない

しかし正直なところ「頭金10万円の不動産投資」は一般的に求めるような不動産投資ができません。

一般的に求める不動産投資とは何かというと「長期間、安定的に家賃収入が入り、最終的には不動産の資産ができること」です。

頭金10万円で同じような不動産投資はできません。出来たとしても「長期間、安定的にはお金が入らない」「資産化するには時間がかかりすぎる」といった状況に陥る可能性が高いです。

不動産投資が他の投資とは違うメリットを受けることなく終わってしまいます。

では頭金10万円だと何故不動産投資のメリットが受けることができないのでしょうか。

それは不動産投資で必要なお金の借入は増えていくことになるからです。アパートやマンションなどの投資用不動産は中古の軽自動車を購入する金額ではありません。

数百万円で購入できるものもありますが、より多くの家賃収入を安定的に得るには規模が大きいアパート一棟、マンション一棟が望ましいです。

そのような規模の投資用不動産であれば数千万円の価格になります。物件の所在地も良かったり、さらに大型物件になれば数億円する価格です。

購入を実現するには金融機関からお金の借入が必要になってきます。

頭金10万円で不動産物件を購入できるということは、その分借入が大きくなり返済すべきお金が多くなってしまうということです。

返済金額が多くなるということは、支払うべき利息が増えるということになります。

銀行の返済は元金を返すことです。利息は元金ではありません。本来必要ではない余計なお金を返していることになります。

そうなれば頭金10万円で初期投資は少なくて済みますが、同時に返済総額が大きくなるということ理解しておかなければいけません。

不動産の販売価格は変わりません。しかし条件によっては返済総額が大きくなってしまうのです。

「頭金10万円で購入できた」はラッキーでも何でもなく、むしろ「高い買い物をしてしまった」と考えるべきです。

不動産投資では頭金10万円とは逆に数百万円から数千万円を入れる方がメリットがあります。

まず返済の金利条件が大幅に優遇される可能性が高くなります。

銀行は確実に返済をしてくれるというのが大前提でお金を融資をします。返済できなくなることが一番良くないことなのです。

頭金を多く入れることができるということは、返済金額が少なくなり確実に返済できるので、銀行からすればリスクが低い融資先という評価になります。

評価の高い融資先となれば、他の銀行に取られないように金利を安くして優遇することができるのです。

多くの頭金を用意することができるのであれば、銀行などの融資先と金利交渉や期間交渉など有利に立つことができるのです。

頭金10万円で不動産を購入できた場合でも、返済額を抑えるには金利交渉などをするしかありません。

しかしそう簡単には金利交渉ができるものではありません。そうなれば「繰り上げ返済」などを行って返済総額を抑えることしかありません。

結局は手持ちのお金を使うことになり「頭金」を支払っているのと変わらなくなります。

むしろ「繰り上げ返済」など後から支払いをするより、最初から「頭金」を入れた方が金利的にも得になることが多いと思います。

事情があって最初から頭金を出せないという人も多いと思います。しかし余剰資金があるのであれば頭金を入れた方が、結果として得になることが多いです。

不動産投資は長期的に行う投資です。「頭金が少なく済ませたい」と一時のお得感だけに執心するのは良くないと思います。