インドの格安ホテル大手OYO(オヨ)ホテルズアンドホームズは日本法人2社を統合する検討開始したとのことです。
統合の対象となるのは、日本でホテル事業を手がける「OYOホテルズジャパン」と、不動産賃貸の「OYOテクノロジー&ホスピタリティージャパン」とういう法人です。
インドでは急成長ビジネスで期待されていたOYOですが、不動産賃貸事業を開始したところ、日本の市場にもマッチしなかったのか早々に各地域での撤退を始めました。
期待のホテル事業も不振
つぎの展開として本国の主力であるホテル事業に関して、2019年に日本法人に立ち上げたのばかりですが、こちらも事業が振るわない状況です。
インド発のホテルチェーンOYO Hotels & Homesの日本法人オヨ・ホテルズ・ジャパンは、日本の旅館を対象にした新ブランド「OYO Ryokan」を開始しました。
各ホテルとはフランチャイズ契約にて事業を開始しています。
- ブランドコンセプトに沿った施設改修
- 設備・備品(ブランド品)の用意
- ホテル管理システム(PMS)の提供
- 在庫管理システムの提供
- ダイナミックプライシング等のシステムの提供
- 集客支援
従来の日本の温泉旅館運営には導入が少なかったAIによる収益最適化などをセールスポイントとして、現在はホテルは200軒以上で約6千室を運営しています。
今後はホテル会社に経営を集約することで事業の効率化を図るようですが、コロナ禍で先行きが不透明な観光業においてはさらに厳しい状況が続くと予想されます。
国内での支援企業が撤退
事業開始から収益化が遅れ、不動産賃貸では半年前に500人いた従業員を半減するなどリストラ対策を余儀なくされています。
人材的には今回の合併により運営を一段と効率化するとしていますが、OYOの日本進出としてOYO本体にはソフトバンクグループ(SBG)傘下の投資ファンドが出資しています。
OYOはSBGの通信子会社ソフトバンクなどと日本のホテル運営会社を、SBG傘下のZホールディングス(ZHD)と不動産賃貸会社を立ち上げたましたが、こちらはZHDが19年11月に資本を引き揚げたことになり、今はOYOの全額出資の状態です。
OYO賃貸事業の復活はあるのか
「スマホで手軽に部屋が借りられる」ことができるOYO LIFEは、参入時には不動産賃貸市場でも「黒船来襲」のような形で大きな話題となりました。
しかし、家賃の割高さやオペレーションなどのサービス品質が課題となり、広くは浸透していません。
サービスのコンセプト自体は悪くはないのですが、国内市場のニーズにマッチしなかったのが残念なところです。
利用者層を変える、サービスの均一化を再考するなどの手段はあるのではないかと思います。
国内はサブリース事業者を登録制にするなど、不動産賃貸市場がもっていた不透明さを改善する動きにあります。
コロナ禍による生活様式が大きく変わります。異業種や海外からの参入で賃貸市場の新たなステージを開拓してほしいと思います。