コロナウイルスによる非常事態宣言がまったなしの状況になりつつありますが、すでに外出を控えている時点でその状況が始まっていると思います。
本当に不要不急以外で人のいる場所(繁華街、ショッピングセンターなど)は控えるべきです。国ないし自治体の連絡を待つ前に自衛するしかありません。
今、危機的に叫ばれているのは医療崩壊です。イタリア、スペイン、アメリカなどの感染者が急増しているのは医療機関がキャパシティを超えて受け入れられない状態から感染の歯止めが効かない状況だと言われています。
日本でも医療崩壊の基準が超える前に策を打つべき状況下にあります。病院施設だけでなく一般の施設などでも使えそうな場所には感染者を受け入れる病床を確保することが最優先の課題です。
アパホテルが全面受け入れを表明
重症患者は病院で対応する前提で新型コロナウイルスに感染した軽症の人や症状が見られない人について民間の宿泊施設が利用するような動きが出始めています。
その状況下で意思表明を出したとされるのがアパホテルです。すでに政府から受け入れの打診があったとされており、アパホテル側は「全面的に受け入れる意向」と「具体的な提案があった際にはスタッフの安全策を図ったうえで国難ともいえる新型コロナウイルスに対応する」との見解を示しているようです。
アパホテルネットワークとして全国最大の654ホテル10万1155室(海外、FC、パートナーホテルを含む)を展開しており、年間宿泊数は約2613万人(2019年11月期末実績)に上る国内有数のホテルチェーンです。
2025年3月末までにアパホテルネットワークとして15万室展開を目指しています。
この決断力とスピード感は非常に素晴らしいと思います。自社のホテル内で感染者が蔓延することになるかもしれないリスクよりもこの国難を乗り切るための動きをしたことは評価すべきだと思います。
以前、勝浦のホテル三日月も受け入れを行いましたが、ホテル三日月からの感染者が出た話もないので、安全策がしっかりしていれば対応できるのかもしれません。
東京オリンピックの選手村も候補の一つ
今、東京都の動きとして注目されているのが、小池都東京都知事の発言です。選手村を新型コロナの軽症者の一時滞在施設として活用する可能性に言及したのです。
東京オリンピックが1年延期にはなりましたが、確実に開催できる可能性があるわけではありません。新型コロナウイルスが収束がつかない場合は、再延期か中止になることも予想されます。そうなると選手村自体が利用されなくなる可能性があるのです。
東京都内でも都心に近い「晴海」は交通機関からも隔離されているので感染者が急増して病床がパンクした際には都合のよい場所なのかもしれません。
HARUMI FLAGの資産価値に影響
しかし選手村は大規模なマンション群である「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」になるということです。
東京・晴海に建設中の大規模マンション群「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」だ。昨年販売された940戸のうち、893戸が成約するという人気ぶりです。
3LDK・72平方メートルで5700万円台からという隣接するマンション相場からしても「お値ごろ感」も出ており、憧れの湾岸タワーマンションとして売れ行きは好調でした。
新型コロナウイルスの感染拡大で、東京五輪の1年延期が決まってはいますが、これにより影響を受けています。すでに購入者の生活設計にも影響が出ているのですが、今回の病床施設に選手村が使われることになると資産価値が下がることが容易に予想されます。
HARUMI FLAGは販売し続けることができるのか
選手村には1万人以上の感染者を収容できるとされてます。病床として扱われるようになればコロナウイルス感染に状況によっては長期化し、さらにマンションの引き渡しが遅れる可能性があります。
不動産会社の販売計画も大きく変更するしかありません。購入者の中には違約金を払ってでもキャンセルする人も出てくるかもしれません。そうなると当初予定していた入居者数も減る可能性も出て来ます。
東京都心の最先端で夢のような都市型コンパクトシティ計画である「HARUMI FLAG」は今後どのようになっていくのか、東京都の動きが注目されます。
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