話題のギグワーカーはデメリットが多い

ギグワーカー

「ギグワーカー」「ギグエコノミー」という言葉が新しい働き方として注目されています。非常にわかりやすい言葉で伝えるしたら「単発による仕事」ということです。

「単発の仕事」という点であれば、昔から存在していたと思いますが、仕事を受けるスタイルが異なります。それはインターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方になった ということです。

しかもインターネットへのアクセスする端末はPCからスマホになり、いつでもどこでも情報を得ることができるようになり、単発の仕事も隙間時間を狙って利用できるようになったことが大きなポイントです。

ギグワーカーとは

そもそもギグとは英語では「gig」と書きます。音楽関係に詳しい人であれば「ギグ」は「ライブ演奏」と理解しているかと思います。

短時間でミュージシャンがライブ演奏することを「ギグ」と呼びます。その短時間での意味合いから「単発の仕事」を指す言葉として使われるようになりました。

そして2015年頃のアメリカでインターネットを中心として新しい経済圏として「ギグエコノミー」(gig economy)が造語として出てきたのです。

そしてその経済形態の中での一つのワークスタイルとして、「ギグワーカー」(gig worker)という働き手のことを差します。

ギグエコノミーの仕事とは
  • 配車サービス
  • デザイン制作
  • プログラム開発
  • コンテンツ制作

具体的な仕事としてはネット仲介で配車サービスで有名な「ウーバー」がイメージしやすいと思います。

ネット経由で仕事を得ることが多いのでインターネットで完結する仕事が中心になります。デザインやサイト制作、コンテンツ制作など非正規労働として単発で仕事を請け負う就業形態になります。

ギグワーカーのメリット

「ウーバーイーツ」などで注目されている自由な仕事スタイルであるギガワーカーのメリットは何でしょうか。

ギガワーカーのメリット
  1. 自由なな働き方ができる
  2. 自分に合った才能やスキルで仕事ができる
  3. 事前の準備が短縮されている

1.自由なな働き方ができる

従来の会社員とは異なり勤務時間や仕事量、働く場所を自分の希望で選ぶことができます。仕事とプライベートの切り分けができることが大きいです。

「今週は週末だけ働く」「1週間働いて次の1週間は休む」といったような会社員では考えられなかった勤務時間が可能になります。

2.自分に合った才能やスキルで仕事ができる

会社員であればスキルや才能が活かす仕事が出来ない場合があります。「資料作成」や「文章作成」が得意という人であれば、ギグワーカーであればその分野に特化した仕事を選ぶことができます。

そのような専門的な仕事でもインターネットを通すことで、効率的に仕事を受注ができるようになったことで実現できます。

3.事前の準備が短縮されている

企業への採用ではないので面接なども必要ない場合があります。インターネット経由での受注であれば自己紹介となる履歴書と実績さえあれば仕事がマッチングされます。

 

バイト感覚でいければ「LINE」のメッセージだけで短期バイトができる企業もあります。

 

ギグワーカーに発注する企業側のメリット

また依頼する企業側にもメリットがあります。

ギガワーカーへの依頼するメリット
  1. 固定費を抑えることができる
  2. 優秀な人材への採用コストが低減できる

1.固定費を抑えることができる

特定の案件だけを依頼することができるので、雇用するための固定費を払う必要がありません。

 

企業側もギグワーカー(受注者)と発注者との関係になるので効率的です。プロジェクトごとに採用するわけにはいかないので、案件単位の受注者を求める企業はインターネットビジネスを中心に多くなると思われます。

2.優秀な人材への採用コストが低減できる

優秀な人材を確保するために、企業は相当数のコストを投資しています。アメリカの企業で新入社員に1,000万円出すということが話題になりました。

 

しかしギグワーカーで優秀な人材であれば条件さえあえば仕事を依頼できます。優秀な人材を企業間で共有できることが非常に大きいと思います。

ギグワーカーのデメリット

しかしギグワーカーであることのデメリットも存在します。特に注意しないといけないのは日本での扱いは「個人事業主」ということです。

 

個人事業主ということは金銭的なメリットは大きいですが、受注する条件や保証といった部分でまだ安定していないところがあります。

ギガワーカーのデメリット
  1. 仕事が不安定である
  2. 契約上のトラブルがある
  3. 福利厚生がない
  4. ローンが組めない

1.仕事が不安定である

ギグワーカーで働く人々は、フリーランスや非正規雇用として契約していることが大半になります。そのため雇用形態は不安定であり、継続的に仕事があるとは限りません。

 

優秀であるスキルであればしばらく仕事は継続できるかもしれませんが、常に仕事を失うリスクと共に生活しなければなりません。

 

2.契約上のトラブルがある

個人企業からの一方的な報酬の引き下げや業務の打ち切りといったリスクがあります。

 

また実際に行った仕事での事故が発生した際の損害賠償責任などにも対応しなくてはいけません。

 

これらを守るためには受注者としての契約は必須です。契約条件を必ずみておかないといけません。この点はまだ国内でもルールが安定していないのでしばらくは注意して対応していくしかありません。

3.福利厚生がない

会社員であれば当然のようにあった「福利厚生」がありません。 年金も保険も自ら登録して支払うことが必須になります。こちらの費用も会社員であれば折半されていたのが全額支払うことになります。

また労災保険も適用されないため業務上の安全は、自主的に管理するしかありません。

4.ローンが組めない

若い世代であれば関係ないと考えるかもしれませんが、安定した収入がないので「ローン」と呼ばれるものが組めません。

 

家を購入するための「住宅ローン」や車を購入するための「マイカーローン」などが利用できないのです。

 

また状況によっては「クレジットカード」の審査も通らない場合もあります。現金を上手に貯めることができるのあれば問題ないですが、大きな買い物は難しくなります。

ギグワーカーに対する意見

ギグワーカーに対する意見は様々です。「よく遊び よく働く」が実感できる良い仕組みではありますが、慎重な意見が目立ちます。

  • 健全に活動できる組織が作られるべきだと思う。
  • 自由には一定のリスクがある
  • 自分で自分を経営していくストイックな考え方もときには要求されるのでしょう。
  • 一時期流行ったノマドと同じであんまり流行らないんじゃないかしらねぇ
  • 「ひとつに依存し過ぎない」というのは鉄則

ギグワーカーのスタイルを活かす方法

ギグワーカーは「自由」と「責任」が伴うワークスタイルです。今後広がる可能性は多いにあります。大手企業と複数の仕事ができることは大きな魅力でもあります。

 

「働き方改革」を推進するのであれば、デメリットは国を挙げて制度かしていくことは重要な課題だと思います。

 

またギグワーカーをすることにより自分のスキルやキャリアを棚卸する良い機会でもあります。

 

いきなりギグワーカーになるのではなく「副業」と捉えて仕事をするのが今は一番現実的だと思います。隙間時間を活かして自分のキャリアアップにつながることも大事です。

 

しかし最近の副業規定には「利益相反」にならないかという条件が追加されている企業が増えていますので要注意です。

 

「副業」は後ろめたいイメージでしたが、将来的には「履歴書」にも記載して良い時代が来ると思います。

 

あわせて読みたい
フリーランスは貯金がない フリーランスの20%は貯金をしていない 年収1,000万円のフリーランス 年収1,000万円のフリーランスは損かもしれない