昨日の「姫路のトランプ」「姫路の不動産王」と称された大川護郎氏の法人が銀行取引停止を受けたことは各方面に影響が出ています。
一般的なニュースほど取り上げられていませんが、不動産投資をする大家からすれば衝撃的な出来事でした。
目次
銀行からお金を借りてシェアを広げる戦略
大川護郎氏のような桁違いの巨額のお金を操ることで多額の売上を上げていたことは、サラリーマンの大家には到底できない話です。
不動産経営を拡張するために「お金を借りるだけ借りる」「エリアの占有率を広げる」「価格競争で安く賃貸をして勝つ」が戦略のポイントだったと思います。
テナント系の物件も多くあったのかと想像されますが、コロナ禍を機会に家賃収入が入らなくなったのかもしれません。
約500億円の借入金があったと報道されていますが、収入減による返済のために金融機関に金策をしないといけない状況だったでしょう。
まさかの銀行取引停止は、不動産投資業界にも大きな影響を与えそうです。
銀行からお金を借りれるだけ借りること
一方で銀行から「お金を借りれるだけ借りる」ということに対しての警告になったかと思います。
不動産投資を拡張するためには、融資が必要です。融資には返済できる信用として頭金が必要になります。
しかし頭金(現金)が足りない、もしくは現金を使いたくないとした場合には「フルローン」と呼ばれる融資方法を選択することになります。
誰もがこの「フルローン」を利用できるわけではありません。
すでに多額の金融資産や無担保の不動産を持っているのであれば、銀行のほうから借りてくださいと言わんばかりの待遇を受ける可能性があります。
もしそのような信用できる条件がないのであれば、物件評価の高いものを購入するなど不動産会社と連携して進めるしかありません。
フルローンによる不動産投資への警告
フルローンによる不動産投資は、現金を使わずに投資規模を拡張することが前提になります。
金融機関が不動産投資への融資を積極的であれば、この拡張路線は実現できたかもしれません。
しかしそこまで連続して融資を受けることができない場合は、フルローンは購入できたとしてもデメリットが先行します。
キャッシュフローが出ない
購入はできたものの頭金を入れていないので、返済金額が大きくなります。
そうなれば家賃収入から返済金額を差し引いたキャッシュフローが出ません。
借り換えが出来ない
オーバーローンとなると金利が高くなります。金利が高いと返済額が進んでいません。
購入してから金利を下げるために借り換えをしたくても、返済額が多いと借り換えが出来ない可能性が高いです。
売却ができない
想定の家賃収入がなければ、売却という選択肢が出てきます。
しかし返済が進んでいないとなると、売却してもローンが残ってしまう可能性があります。
売りたくても売れない状況になります。
不動産投資はローン返済できるかが重要
「フルローンで購入できてよかった」と思えるのは最初のうちだけです。
フルローンでも返済できるかが重要になってきます。
「返済できなければ、売ればいい」というような不動産価格が右肩上がりの時代ではありません。
投資用アパートやマンションを売りたくても想定通りの価格で売れない状況です。
サラリーマンが副業で行うレベルで売却前提の不動産投資はリスクが高い方法です。
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