東京都内を中心とした高額のタワーマンションが多く売れた要因としてアジアを中心とした外国人投資家の積極的な購入があります。
しかしコロナ禍で一転、日本に訪日することもできず、売却の動きも出始めていました。
東京オリンピック開催もまだ未確定の中で、タワーマンションの高騰も期待できない状況になり、売却の加速が進んでいます。
チャイナマンションの存在
都内有数エリアには、「チャイナ・マンション」として知られた物件があります。
1000近い部屋を持つ大規模なタワーマンションです。販売当初は売り切れるのかと業界関係者の間で話題になっていました。
結果は中国人たちが上層階を中心に「爆買い」したことで完売したのです。
しかし湾岸エリアのタワマンで中国人による「爆売り」があちこちで勃発し、成約がなかなか決まらず相場が安売り状態になっているのです。
売却には想定外の税金がかかる
しかし、この売却にはさらに想定外の税金がかかることがわかりました。
外国人投資家など、日本に住んでいない「非居住者」が日本国内の不動産を売却する場合におこる税金です。
その場合は、不動産の買い手は、購入代金のうち10.21%を非居住者の所得税(復興特別所得税を含む)として源泉徴収し、納税する義務があるのです。
目的は、非居住者の譲渡所得の申告漏れを防ぐことにあります。
すでに売り手とのトラブルが発生
買い手も不動産の売り手が非居住者であるとは知らず、源泉徴収漏れになるトラブルも発生しているのです。
買い手は源泉徴収義務違反になってしまうので、売り手に請求することになりますが、外国にいる場合は簡単には請求できません。
購入金額の10.21%分にあたる税は買い手が負担し、後日、加算税や延滞税は買い手の負担となるので、買い手も積極的には購入できません。
購入時には相手がどこに住んでいるか確認が必要
不動産を買う場合には、相手の住民票の確認をしなければいけません。
これはタワーマンションが売れない理由の一つになっているのだと思います。
デベロッパー側も売ることを優先して、このような事態になることは想定していなかったのでしょうか。
タワーマンションの「資産価値はさがる」「買い手に負担がでる」となれば、たとえ安くなったとしても購入する障壁になります。
さらに時間が経てば「大規模修繕」という想定外以上の費用がかかってきます。
これからタワーマンションはまだまだ建設される予定です。
廃墟化しないためにはデベロッパー側にも計画的な販売が必要なのではないかと思います。