羽田空港の新飛行ルート問題
最近「羽田新ルート問題」が話題になってきています。
2020年に開催される東京オリンピックに向けて、海外から多くの訪日観光客が訪れることが予想されています。
輸送力強化のため羽田空港に国際線が増えて新ルートが決定しました。
問題になっているのは、麻布や青山、白金台といった高級住宅街にも騒音の被害が出ると予想されています。
特に都心のタワーマンションの生活に影響が出るのではと話題になっています。
パチンコ店内並みの騒音
羽田空港側は、2020年までの国際線増便を目指しています。
近隣住民に対しての理解が必要なため何度も説明会を行ってきました。
「こんな大きな音で飛んできたら、いやだよ」
7月中旬、東京都品川区の区民会館で開催された「都心低空飛行問題シンポジウム」。
300人近くが詰めかけた会場で、新飛行ルートになった場合に想定される飛行機の「爆音」を体感する騒音動画を見ていた地元に住むという男性(65)は憤った。
新ルートでの運航が始まると、男性が住む地域は80デシベル近くに達するという。
引用:ヤフーニュース
80デシベルは「パチンコ店内」並みの音と同じです。
飛行時間帯は限られているようですが、数分に一回の割合で飛行します。
線路近くの住居は騒音で価値が下がると言われますが、時刻表に基づいて運行するのでまだ予測がつきます。
飛行機は天候にも影響されるので、どれくらいの頻度で飛行するか予測できません。
また騒音が窓を閉めて気にならないレベルかはわからないです。
音が近く感じるタワーマンションの高層階に遮音機能があるのでしょうか。
数年前に建設されたタワーマンションには遮音は想定していないかもしれません。
不動産価値が最大で25%下落
不動産としての問題はまだあります。それは不動産価格への影響です。
不動産コンサルティング会社で有名な「さくら事務所」(東京)によれば、海外の事例をケースに不動産価値を算出しています。
新飛行ルートによる騒音で代官山(渋谷区)や白金(港区)あたりの不動産価格は最大25%価格が下落する可能性があると指摘しています。
これは非常に影響が大きい話です。
単純計算で2億円のタワーマンションでは5,000万円価値が下がることになります。
今回の新飛行ルートでは東京でも所得の高い住民が多い港区などを飛行します。
最近、青山に児童相談所を作ろうとすると「地元ブランド」を守るために反対運動が起きた地域です。
今回の新飛行ルートで、自宅上を飛ばれたら価値が下がるから反対するのでしょうか。
新飛行ルートが発表された時はまだ先の話という認識でしたが、日増しに影響範囲が高まってきます。
都内に住んでいると避けられない状況ですが、伊丹空港や福岡空港も同じ環境です。
騒音と不動産はこれからは克服していかなくてはいけない大きな課題です。