東京の5月転入超過数は86%減、賃貸市場にも影響が出る

東京の5月転入超過数は86%減、賃貸市場にも影響が出る

新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都内の警戒レベルの深刻度が一番高い状況になる見通しです。

 

専門家による評価に基づいて設定する警戒レベルに関して「感染が拡大していると思われる」に引き上げるとのことです。

 

都道府県間の移動も自粛せざるを得ない状況の中で、注意して「GO TOキャンペーン」とした観光目的の補助も開始されます。

 

都と政府で矛盾が生じているので、国民も判断できない状況になっています。はっきりとした指針を示してほしいと思います。

コロナ禍で東京の転入超過数が急減

東京都の近隣県からも移動は控えるような動きが日毎に増しています。この動きは一時的なものではなく、すでに東京都への引っ越しする人数にも影響が出てきています。

 

3月~4月は通常であれば「進学」「就職」で多くの人々が東京に引っ越しをしてきます。しかし今回の新型コロナウイルスの影響により東京に引っ越し(転入)する人が大幅に減少しました。

 

人口移動を示す数値は各自治体が発表する「転入超過数」で確認することができます。

転入超過数とは

転入者数から転出者数を差し引いた数値

東京への転入超過数は86%減

東京への転入数に限っては、顕著に数字に表れました。昨年同期比になりますが4月は45%減、5月にいたっては86減となっています。

 

またこれは東京圏と呼ばれる神奈川県、千葉県、埼玉県も同様の傾向がみられており、コロナウイルスの対策が完全にできない限りは、今後も影響が続くかと思います。

 

減少の大きな要因になったのはコロナ感染のリスク回避だけではありません。

大きな原因は「進学」と「就職」のリモート化

コロナ禍に伴って実施された「進学」と「就職(転職)」のリモート対応です。これが定着化したことで東京に出る必要がなくなったのです。

 

進学で引っ越す際に多いのは「大学進学」だと思います。大学に至っては「オンライン授業」が中心となり、通学する必要がなくなりました。

 

そうなれば地元で授業を受けることもできますので、一人暮らしや寮生活をする必要がありません。

 

一時的なものとみられていましたが、前期課程がすでにオンライン授業になった大学などもあるため、東京にはしばらく出る必要がなくなったのです。

 

「就職(転職)」も同様にテレワークという新しい働き方が導入されたことにより、生活が一変しました。

 

オフィス不要論、単身赴任不要論も出るくらいの状況になっています。

 

遠隔でも東京の仕事ができるとなれば、引っ越ししてまで東京に出てくる必要がなくなりました。

 

企業からみても家賃補助などもなく優秀な人材を集める機会が増えたことになります。

東京の賃貸事情にも影響が出始めている

都内の大学近くの賃貸アパート物件や人気エリアでの社会人向けのワンルームマンションなどは安定の不動産投資物件でした。

 

しかし今後は先行きがわからなくなりました。4月に引っ越しする予定だった学生、社会人がキャンセルしたという話も聞きます。

 

東京都内であれば不動産投資は安定するとは限らなくなってきます。

 

いきなり人数が減るということはないですが、競争力のないアパートやマンションは、たとえ都内であっても厳しい条件になるかもしれません。

あわせて読みたい
都内木造アパート9%はシェアハウス 東京都内木造アパートで表面利回り9%台の実情 都内の築古アパートは難易度が高い 東京都内の築古アパートは難易度が高い