政府の専門家会議では新型コロナウイルスの第2波が7月下旬だったという見解がでていますが、夏場でもこれだけの感染数が出ていることから、秋から冬にかけてさらなる増加が懸念されます。
外出自粛による動きはさらに強化されるとみておくべきだと思います。以前のような旅行や宴会も行う機会が減り、地方のお祭りや音楽イベントなども限定されていくことでしょう。
「いつかは戻るだろう」という楽観的なことを考えるより「新しい生活様式」を受け止めていくしかないと思います。
テレワークのシェアは増加する
働き方に関しては価値観が大きく変わりました。すでにテレワーク(在宅勤務)が一般的になっています。
以前の在宅勤務の扱いはネガティブな印象でした。「家で仕事をさぼっている」のではという見方をされても仕方がなかった状況です。
しかし全員がテレワーク化になった企業は、その条件下でも通常の業務を維持できるように努力をしました。新しいルールもつくりました。セキュリティも強化しました。
結果、普段と変わらない仕事の流れになり、業種によっては無駄な時間がなくなり効率的になったという結果も出ています。
国内の企業では未だに出社するような動きもありますが、段階を踏んでテレワークは増加していくことでしょう。
会社の事情で完全テレワークは出来ないまでも、少なくとも「出社」「在宅」の両方を選択できるような方法になると思います。
それは働く人が望む理想の生活だからです。自分のパフォーマンスが最大限に活かせる環境で仕事ができることを企業も提供しなくてはいけません。
テレワーク生活での住宅への価値観
テレワークがメインとなるのは、やはり自宅になります。カフェやワーケーションのような地方で仕事をすることもできますが、まずが自宅でテレワークに慣れることが大事です。
自宅がテレワークで不向きと考えているのであれば「住み替え」の検討も出てきます。
リクルート住まいカンパニーでは「テレワーク環境」での希望条件とした調査結果がでていました。
- 「今より部屋数の多い家に住み替えたい」が最も多く(40%)
- 「今よりリビングは広くしたい、かつ個室数も確保したい」(27%)
- 子どもありの世帯では「周辺に大きな公園や緑地があるところに住みたい」が高い
- 独身/単身世帯では「通勤利便性より周辺環境重視で住み替えたい」が高い
継続する場合に住み替える家の希望条件としては、部屋数を増やしたいというのが顕著に出ています。
テレワークにより都会より地方へ引っ越しをするという人も増えてきそうですが、まずは狭くてもいいので部屋数を増やしていくことが先決のようです。
ワンルームが受難になってくる時代
家族がいる家庭であれば、周辺環境を重視するのは自然の流れかと思います。
テレワークで通勤時間を考慮しなくて良いのであれば、教育環境でも交通量の多い都心に住むのであれば、緑豊かな公園などがあるエリアで子育てをしたいと思います。
独身者の選択も変わってきます。オフィスであれば快適な環境であったのが使えなくなるとすれば、狭いワンルームでほぼ外出することなく生活することになります。
仕事とプライベートを分けるのであれば、ワンルームより1LDK、2DKなど部屋数の多い部屋に住み替えたくなります。
そうなるとワンルームマンションなどの需要がなくなってきます。少しでも大きい部屋を借りることができれば長期間、快適に住むことができます。
都心での不動産投資への影響
不動産投資でも安定的と言われていた都内の賃貸事情も変わってくる可能性があります。
極端に減少することはないと思いますが、家賃設定に関してはより競争が激しくなるかもしれません。
同じ7万円の家賃であれば都心のワンルームより、少し離れたエリアでの2DKを選択する人が増えてくるからです。
そうなれば都心でのワンルームマンションの家賃は見直していく必要性が出てきます。結果、不動産投資としての収支にも影響が出てくると予想されます。
じわりじわりだと思いますが、賃貸住宅の市場は来年の繁忙期に向けて変化が出てくるのではないかと思います。