不動産投資で土地値物件を喜んで購入してはいけない

土地値物件を喜んで購入してはいけない

不動産投資は、ここ最近の傾向では「新築」「築浅」回帰の状態です。金融機関もこぞって安定的に融資審査が承認しやすいこともあり「築古よりか新築」「地方よりかは都心」への融資を行うと明確にしているようです。

 

不動産投資でキャッシュフローを得るには「築古アパート」を購入するのが「不動産投資の王道」という内容を不動産投資関連の書籍やブログで語られていました。

 

実際に不動産関係の仕事をしている人からも、自分が不動産投資をするなら「古いアパートをできるだけ安く買う」と言われたことがありますので、間違いではないのでしょう。

土地値物件とは

特に「土地値物件」と呼ばれるものは「お宝物件」として希少価値の高い物件と称されていました。

土地値物件とは

売買価格と土地値(路線価)が近いもしくは土地値が上回っているような物件です。具体的には地方にある耐用年数を超えた築古アパートや戸建などの物件です。

しかしサラリーマンの不動産投資初心者が副業扱いに行うには難しい領域の物件だと思います。

「土地値物件」のメリット

築古のアパートはなんといっても安く買えることです。「土地値で買えた」と自慢する方も多くみられましたが、建物付きと考えるとお得感を感じます。メリットとしては以下の内容が挙げられます。

「土地値物件」のメリット
  • 現金で購入が可能
  • リフォーム次第で満室が可能
  • 投資利回りが良い
  • 売却時に損失しない

一般的な耐用年数を超えているような築30年を過ぎの築古アパートには、ローンを組まずに数百万円の現金で購入できる物件もあり、初心者でも頭金を貯めているのでれば十分に購入できる価格です。

 

いきなり数千万円の物件を融資で購入するのはハードルがあります。しかしこういった低価格で現金で購入できる物件ならアパート投資を始めることができます。

 

また築古アパートで経験を積み、銀行からの評価も高くなり新規で融資を引くことができます。将来的にRC一棟や新築系などの価格が高い不動産への規模拡大が期待できます。

 

「土地値物件」のデメリット

投資として将来売却しても損をすることがなくキャッシュフローが得られるという点では「土地値物件」は初心者からすれば魅力的な不動産物件です。

 

しかしここ最近の不動産投資をとりまく環境下では融資が厳しくなり「土地値物件」はデメリットが目立つ領域の不動産になりつつあります。

「土地値物件」のデメリット
  • 融資が短期間になる
  • リフォームに時間とコストが想定以上にかかる
  • 入居者の属性が良くない
  • 不動産投資の拡張に時間がかかる
  • 売却が容易ではない

特に昨年からの金融機関による不動産投資の融資の傾向が「新築」「築浅」にシフトチェンジしてから「土地値物件」のメリットが発揮できない状況になっています。

「土地値物件」は初心者には難易度が高い

「土地値物件」メインに紹介している不動産投資の関連本やセミナー、不動産投資をしている人のブログを見ると、どちらかというと地方のアパートが対象になっています。

 

一時期、北関東を中心に利回りが15~20%物件を探すのがトレンドになっていた時代があります。

 

「土地値で不動産投資物件が買える」となるとかなり魅力的ではあります。しかしながらそれなりの難易度があります。

社会的貢献もある不動産投資

空き家問題の対策としても築古アパートを購入してリフォームによるバリューアップは、地域の社会貢献にもつながっていると思います。

 

「土地値物件」はすでに不動産投資で実績があり、長期的な視点で不動産投資を拡張したいと考えれば購入することも良い選択肢かと思います。

 

しかし、サラリーマンが副業として扱う不動産投資には不向きだと思います。「土地値物件」を購入したからといって入居が安定的に運用するまでには時間がかかり精神的にも落ち着かない状態が続くと思います。

 

サラリーマンによる不動産投資はストレスを持ってするものでないと思いますので、「土地値物件」を見つけたといって喜んで購入してはいけないのです。

 

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