なぜタワマン営業は「2LDK」を勧めてくるのか

タワマン営業は2LDKを勧めてくるのか

タワーマンション(タワマン)の建設ラッシュが止まりません。2008~17年の10年間だけでも首都圏には341棟の20階建て以上の高層マンションが建設されました。

 

この数字はさらに伸び続けています。タワマンと言えば豊洲などの湾岸エリアや山手線沿線上での新宿区や高級住宅街である港区など東京23区内に集中していました。

 

最近では「武蔵小杉」のタワマン建設ラッシュが起こり、東京都23区外でのタワマンも一般的になってきた感じです。

 

郊外のタワマンは購入できる価格帯

都心へのアクセスは便利な郊外でもタワマンが目立つようになりました。先ほどの武蔵小杉を筆頭に川口や中央線沿線上でも建設が続いています。

 

新宿区や港区、湾岸エリアには元々地域としてのブランド力もあり、その土地の上にステータスシンボル的なタワーマンションは相性が良いのだと思います。

 

その結果不動産としての評価価値があがり、1億円前後の価格にまで高騰しています。

 

1億円前後マンションともなるとサラリーマンでは簡単に購入できる金額ではありません。限られた富裕層がメインターゲットの不動産になります。

 

しかし郊外型のタワマンであれば共働き夫婦であれば十分に購入できる金額になってくるのです。

 

都心の真ん中ではない郊外にせよ、憧れのタワマンに住むという点では希望する人は少なくありません。

 

不動産営業も購入者の希望に合致させるために購入できると思われる価格を積極的に提案してくるのです。

2LDKを提案してくるタワマン営業

共働き夫婦は世帯年収も高くタワマン営業からすれば、住宅ローンの承認に問題がないので絶好のターゲットと言われています。

 

特に夫婦ともに700万円以上の年収の夫婦は不動産業界では「パワーカップル」と呼ばれており、さらに高額のマンションを購入する可能性が高いとして、会社経営者や医者、士業といった富裕層に次いでの優良顧客とされています。

 

タワマン営業から共働きでまだ子供がいない夫婦には「2LDK」を勧めてくるのです。長期的に見れば家族を増えることも考えると「3LDK」の間取りが適切です。

 

それでも「2LDK」を進めてくるのは、住宅ローンが承認されやすい価格帯を提案してくるからです。対象となる郊外でのタワマンであれば「2LDK」といえども6,000~7,000万円になってきます。

 

加えて驚くのがタワマン営業の提案内容です。「子どもが生まれてもしばらくは2LDKで問題ありません。大きくなったら3LDKに買い替えればいいのです。」

 

人気のタワマンと言えどもそう簡単に売買ができるものではありません。購入以上に時間と手数料などのコストがかかります。

 

そしてこの買い替えが成り立つのは「価値が維持できて、価格が下がらない」というのが大前提 になります。

 

価値が下がらないと強調するタワマン営業

ここで問題なのはタワマン営業が「絶対価格が下がることがない」と言ってしまった場合はNGワードです。

 

急成長をしている武蔵小杉のタワマンの昨年の台風19号の結果で、周囲からの評価がマイナスイメージを持ってしまいました。価値が下がらないとは言い切れないのです。

 

それでも「価格が下がらない」というタワマン営業は「売りきるだけが目的」としか言いようのない無責任な発言でしかありません。

 

「多くの利益が見込めるからと言ってタワマン開発を続けるマンションデベロッパー」「売りやすいからと言って相場より高いタワマンを販売し続ける営業」という構図ができあがっているので、何十年もタワマン開発は止まることはありませんでした。

 

購入者にも「自分が所有する家への憧れ」というものがあると思います。しかし売り手の真意を見抜いておかなければ、将来的に苦労する不動産を購入してしまうかもしれません ので注意が必要です。

 

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