テレワークが中心となると従来のメンバーシップ型からジョブ型に移行すると言われています。
メンバーシップ型のように重視されるのは年齢や学歴ではなく、個々に持つ専門的なスキルに仕事に人を合わせていく「仕事基準」の採用になっていきます。
例えば専門的なプログラミングスキルを持つ社員が、所属している事業部内の仕事だけでなく兼業する形で別部署の仕事を請け負うことができるようになります。
不要になっていく役職者
そうなれば、役職者など関係なくフラットな組織に再編していくほうが効率的になる場合も出てきます。
管理職は全体の調整役に徹するマネージャーのような動きが強くなっていきます。
自分のラインを育成していくだけの従来型の仕事の仕方では、会社全体のスキルアップにはつながりません。
専門的に特化した人材を「自部署で確保し続けたい」「他の仕事をさせたくない」といったような自我的な発想はなくなり、より人材の流動を後押ししていくような考え方 が求められます。
「社内副業」の実現性
テレワークでのジョブ型雇用が推進していくことで、時間に余裕ができることから「副業」も同時に推奨していく取り組みになっていきます。
さらに先をいく副業としては、企業間でのレンタル移籍的な雇用も出てきてもおかしくはありません。
人材交流を兼ねた企業間で副業を認め合って各事業を推進していくことは従来型の出向とは異なる人の流れになっていく可能性があります。
また社内でも専門性を活かして他部署の仕事ができるようになると「社内副業」と呼ばれるような制度も出てきます。
時間コントロールできるのであれば社内で仕事を請け負って、報酬を上げていくこともできるようになります。
今の常識が非常識になる
今までの日本の企業は新卒一括採用型の雇用システムです。
大学などの教育機関を経て総合職として採用され、転勤や異動、ジョブローテーションを繰りかえすことで、会社を支える人材を長期的に育成されていくシステムです。
今の中高年の世代は何も疑いなくこの制度に準じて仕事をしてきました。
しかし今後は、このような常識が通用しなくなっていきます。今までの仕事のやり方が非常識になっていくのです。
すでに採用の時点からWEB面接ができるようになり、地方の優秀な学生も積極的に就職活動ができるようになりました。
また転職することでキャリアアップを重ねてきたことも、テレワーク、副業などで本来の働き方ではないスタイルでキャリアアップが可能になっていくのです。
中高年の世代であれば「フェイストウフェイス」でなければいけない、会食などを通じてコミュニケーションを図るべきという考えもあります。
しかし、ここ数年で確実に変えていかなくてはいけません。その先には国際競争力を高めるという意味でもジョブ型の仕事に移行せざるを得ないのです。