アメリカに「億万長者」について研究している専門家がいます。
アメリカ富裕層研究家の一人であるトマス・スタンリーが興味深い研究結果を発表しています。
大半のお金持ちは高級住宅地に住むわけでもなく、派手な消費をするのでないとしています。
まずは「期待資産額」を知ること
自分の経済状況を評価する指標として「期待資産額」という数字があります。
「期待資産額」とは自分がお金持ちかどうかを知るための金額です。
それも簡単な方程式で出すことができます。
それは「年齢×年収÷10」です。
例えば、45歳で年収800万円とした場合には、下記のように計算できます。
45(歳)×800(万円)÷10=3,600万円
この「期待資産額」に対して、現在の純資産(金融資産や不動産資産)が上回っていれば金持ちといえるのです。
純資産は住宅ローンなどの負債額を引いた数値になります。
この数値が下回っているであれば富裕層ではない状況ということです。
つまり2000万円を超える年収を得ていたとしても、本人と家族の浪費癖がひどく貯金ができないのは富裕層ではないのです。
倹約していればお金持ちになれる
一方で共働きしながら50代でミリオネア(億万長者)になれる人もいるというのです。
共働きでコツコツと働いていても可能としています。
しかしそこには大事な生活スタイルが必要です。
それは「倹約」です。
スタンリーは、収入の10~15%を貯蓄に回す倹約をつづけていれば、誰でも億万長者になれるということを述べています。
収入よりはるかに低い支出で生活している
富裕層になるには「収入を増やす」ことに注目してしまいますが、実際はそうではありません。
富裕層の多くは「収入よりはるかに低い支出で生活している」ということなのです。
そしてその余剰に貯まっているお金を資産形成のために投資をしているのです。
1970年代の研究で語られていたことではありますが、今での通じる考え方です。
つまりお金持ちになるには次の3つの方法しかないことがわかります。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 運用利回りを上げる(資産を上手に運用する)
このシンプルな項目にどれだけ真摯に行動しているかによって「お金持ち」の基盤が作られていきます。
お金持ちになる数式
先ほどの考えをベースにお金持ちになるための数式もつくることができます。
お金持ち=(収入-支出)+(資産×運用利回り)
運用利回りに関しては、「金融商品」「不動産」への投資ということが考えられます。
株式や債券への金融投資、アパートやマンションなどの不動産投資、最近だとビットコインなどの仮想通貨取引が対象になります。
先ほどの方程式の合計値を上げていくことで「期待資産額」を上回ること目指します。
負債よりも高い金融資産、不動産を持つことによって安定的な富裕層の生活ができるのです。
この方程式を実現しているのがFIRE
この方程式は定年間際のサラリーマンだけでなく達成することができます。
アメリカで多くの若者が支持されている生き方に「FIRE」があります。
FIREとは、Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)を目指す人々のことを表しています。
なにも大金持ちにならなくても実現できる生活スタイルなのです。
若者たちは、会社員でたくさん稼ぎ、その収入のなかからできるだけ多くを投資・運用に回そうとしてFIREを目指すのです。
今の日本でもこの考え方は共感できる部分が多くあります。
富裕層になるにが高年収がすべてというわけではないのです。
トマス・スタンリーの名著「となりの億万長者」は現代にも通じる非常に参考になる本です。