新型コロナウイルス感染拡大に防止のための緊急事態宣言を受けた休業などの影響で、宿泊業を中心に倒産が増えています。
しかし都内の倒産件数は4月、前年実績比で1割減となる見込みとのニュースが出ていました。東京都内は事業者数が多いにも関わらず不思議な現象です。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う国の緊急事態宣言を受けた休業などの影響で、経営に行き詰まる企業が増えている。にもかかわらず、都内の倒産件数は4月、前年実績比で1割減となる見込みだ。
引用:日本経済新聞
全国でコロナ倒産が増える中での減少した理由
なぜ東京都内の倒産件数が少ないのか。
理由は明確でした。
本来であれば弁護士による裁判手続きにより「倒産」の対応を行います。
しかし東京地裁が東京弁護士会など都内の3つの弁護士会に「不急の申し立ては控えるように」との通達が4月に出されている事実がありました。
複数の中小経営者から、破産についての相談が寄せられているが「どの案件を優先すべきなのか」精査する必要があるため、実際に手続きした会社の数が少ないということです。
実際には想定以上の数が手続きをしなくてはならない状況であることが予想されます。
倒産数より休廃業数が現実的な数字
厳しい経営環境に追い込まれている中小零細企業の実質的な倒産は増えている事実があります。
しかし倒産件数が数字として表しているのは、会社更生法に基づいて裁判所が関わって法的に整理した件数だけが反映されているのです。
債権者と債務者が合意して進める私的な整理などは倒産件数には含まれていないのです。
また「休業」「廃業」という件数があります。これは倒産とは別の意味合いをもちます。
「休業」「廃業」件数のなかには後継者がいないための「休業」「廃業」もあるのですが、そのほとんどが赤字で事業継続が不可能なために「休業」「廃業」しているという事実があるからです。
休業
経営や事業を停止させること
廃業
その理由を問わず、自主的に経営や事業を辞めること
倒産という言葉だけで考えるのではなく、コロナ禍で休業や廃業を行う数も確認しないと本当の景気動向がわかりません。
あるリサーチ会社の話では倒産数の5倍は「休業」「廃業」されているというデータが出ていました。
休廃業によりビジネスの見直しが加速する
緊急事態宣言が解除されそうな動きが全国でも出始めています。
しかし経済が再開したとしても同じような商売ができるわけではありません。
飲食店も今まで以上に気を配りながらの経営になります。小売業も接客距離を空けるオペレーションに変更しなくてはいけません。
「今までできたことができなくなる」アフターコロナでは問われる課題です。
感染予防と同時に今までのビジネスではないスキームを作り出す必要がでてきます。