空前の低金利や税制優遇もあり、都心では家を購入する人が増えています。
特に年収の高いとされる属性の方々は、効率性と所有ステータスから職場に近い都心に住居を構える傾向があります。
職場が近い都内ともなれば、土地も限られているため戸建ては少ないので、必然的に分譲マンションでの購入になるかと思います。
さらに都内の一等地ともなれば、タワーマンションなどのブランド物件の購入が候補として出てきます。
販売価格は少なくとも7〜8千万円以上はかかります。タワーマンションの高層階ともなれば、1億円は超えてきます。
このようなタワーマンションは、経営者や富裕層、外国人投資家が主に購入層と見られてきました。
しかし最近では夫婦ともに年収が高いパワーカップルが購入者として増えてきている ようです。
話題のパワーカップルとは
最近よく耳にするパワーカップルとは、どういう夫婦のことを表しているのでしょうか。
年収がそれぞれ700万円以上を超えている夫婦
※夫の年収が600万円以上で妻の年収が400万円以上の夫婦という説もあり
パワーカップルは世帯年収で1400万円以上の夫婦ということになります。
しかし「パワーカップル」というワードが飛び交うのは不動産業界のみです。一般的には認知度が低い呼称です。
その理由としては、不動産販売する際に「パワーカップル」が今一番売りたい顧客像だからです。
不動産市場全体が価格が高騰しており、都内の物件は一般のサラリーマン家庭には手が届かない状況です。
高騰する不動産市場において、多くのお金を借りられてかつ資金力がある人のは、高額マンションを販売する不動産会社からすれば上客になります。
特に年収の高いパワーカップルは社会的にも信用されているので販売先として優良顧客になります。
必要以上に借りてしまうパワーカップル
一般的に借りられる住宅ローンの金額は、年収の5倍程度といわれています。
1400万円の世帯所得であれば、2人合わせて借り入れできる金額は7000万円前後が正しい目安です。
しかし最近ではこの5倍程度が低金利や長期間借入ができることから、8~10倍近くと基準が変更されています。
そうなるとパワーカップルの世帯年収1400万円であれば、1億円以上の住宅ローンが組めるようになるのです。
そのような条件から億ションと呼ばれる都内のタワーマンションを購入しているパワーカップルが増え続けているのです。
返済できないパワーカップルが増える可能性
住宅ローンを始めとした金融機関の借入に関する大原則は、必要以上にお金を借りないことです。
上限まで借入することで、購入できる不動産も大きくなりますが、その分返済しなくてはいけないリスクも高まります。
借りるときに有利だったパワーカップルも条件によっては厳しい返済計画に対応しなければならない場合があります。
- 妻(もしくは夫)がいつまで働けれるのか
- 収入が半減したときでも返済できるか
- 離婚する可能性はないか
以前はローンを組む場合、世帯主の夫だけの収入を想定することが一般的でした。
多くの人は、30~35年の長期ローンを組みますので、35歳で借りたとしても、70歳まで支払い続けることになります。
しかしパワーカップルがそろって35歳でローンを組み、「タワマン」を購入した夫婦が、2人とも収入が途絶えることなく、70歳までローンを返済し続けることは現実的ではありません。
それでも不動産会社は優良顧客としてパワーカップルにタワマンを提案し続けます。
将来、高年収のパワーカップルの破綻が続出しないか懸念されます。