「デパート友の会は利回りすると高いのでお得」と聞いたことはないでしょうか。デパートのリピート顧客はお得な会員制サービスです。
これはいわゆる積立型サービスと呼ばれるものです。毎月一定額を百貨店に積み立てることで、1年後の満期時に「ボーナス」が加算されます。
積立額を上回る買い物カード(買い物券)がもらえるのでお得と言われています。
目次
「デパート友の会」のメリット
デパート友の会が注目されたのは、計算上、高い利回りが期待できるサービスと評価されたことです。
1)銀行より高い利回りを確保
デパート友の会は純粋な金融商品ではないため単純な比較はできません。しかし銀行預金の金利は1%を切る時代のなかで、高い金利が約束されています。
たとえば、毎月1万円を1年間積み立てると、満期後にボーナス分1万円を含めた計13万円分の買い物カードを受け取れます。
これを年利換算すると約15%以上になりますので、これはお得だという評価が口コミでも広まったのです。
2)優待サービスが受けられる
友の会に入ると「優待セール」を受けることができます。お歳暮やお中元であれば割引で購入することもできます。
また提携しているホテルや飲食店でも優待サービスを受けることできるので、デパート以外でのメリットがあります。
3)ボーナス分は課税されない
先ほどの銀行との比較になりますが、ボーナスを受けた分は課税対象ではありません。銀行の場合は、預金に対して加算された利子にも税金が課税されます。
「デパート友の会」のデメリット
お買い物以外にも優遇されている「デパート友の会」はメリットだらけのように感じますが、デメリットも当然あります。
1)利用できる場所が限られている
ボーナスを含めて積立した金額は、デパートのお買い物しかできないのが基本です。提携先のホテルやレストランもあるかと思いますが、家の近所にあるのはほとんどないのではないでしょうか。
今話題のキャッシュレスサービスのように共通の電子マネーやポイント化をしているわけではないので、普段使いでは利用できません。
交通費を掛けてデパートまで行かなければ利用できません。
2)販売価格が安くない
デパートで販売されているのは、基本的には標準価格です。中にはセール品を扱っている場合もありますが、家電量販店のように最初から値引き前提での商品ではありません。
また家電量販店のように値引き交渉できるわけではありません。ボーナス分で増えたと喜んでいても実際には、割引のない商品を購入しているのであれば意味がありません。
3)不必要なものを購入してしまう
買い物ができるからといって買う必要のないものまで買ってしまう可能性もあります。
普段からインターネットで買い物をしている人であれば、デパートでの買い物が割高に感じることが多いと思います。
そうなると中々購入できる機会がなく、結局、あまり値引きの無いような商品を購入してしまう場合があります。そうなると本末転倒です。
「デパート友の会」は普段から使わない人でないとメリットがない
前提としては普段からデパートを利用している人向けのサービスだということを忘れてはいけません。
買い物券やプリペイドカードを金券ショップなどに売るという選択もありますが、買い取り価格は額面金額の5%前後の安い金額が相場となっています。
損はしませんが年に1回のボーナスのために手間を考えると面倒です。
本当にお得なのかは、その人の普段の生活にもよって異なります。
残念ながらデパートという業態は、インターネットショッピングや家電量販店、専門店の拡大とは相反するかのように縮小傾向にあり、利用する機会が減ってきています。
買い物する場所や機会が限られた時代には、駅前の一等地のデパートでワクワクしながら一日中過ごすことが贅沢なことでもありました。
「経験をする」という意味ではデパートは良い場所だと思います。
特に地方のデパートが存続が大変なようですが、充実したみんな安心して集まる場所として何かの形で復活してほしいと思います。