シノケン「投資利回り」というセールスポイント

見積書を考える

見積書を考える

 

不動産投資をするうえで最初に注目する数値は「表面利回り」です。この数値の大きさによって、ある程度の物件の良し悪しが判断できます。特に初心者の方には、この数字が一番目に着くのではないかと思います。

 

銀行の定期預金の金利が「0.02%」や「0.05%」となっている時代において表面利回りが「7%」「6%」と書かれていると、非常に魅力的に感じると思います。この金利比較は、不動産投資セミナーのでの常套句でもあります。

 

不動産投資の初心者だった数年前に各アパート会社のセミナーを受けている中で、アパート最大手のシノケンから提案いただいた内容で「投資利回り」なる項目を初めて目にしました。

 

投資利回り

 

当時提案を受けた際に「23.86%」という表現を見ると、すごいお得な物件なのだなと感じました。「表面利回り」だけでなく、他のアパート会社にはなかった数値だったので、一瞬、購入意思を固めてしまいそうでした。実際には、他の決め手に欠けていたので、購入するには至りませんでしたが、初心者だった自分には衝撃的な数値でした。

 

投資利回りで「フルローン」を強調している

投資利回りとは、書かれているように「年間予定利益÷予定自己資金」のことです。「毎年の利益分で投資したお金を何年間で回収できますよ」という意味です。この計算の23.86%だと、100%で回収なので4年余りで自己資金が回収できるということになります。

 

4年で回収できるということは、家賃収入があって、投資回収できるということは、投資対象しても悪くないのではと思ってしまいます。

 

当時「少ない自己資金でもアパートが買えますよ」との説明を受けたのですが(500万円でも大金ですが、、)結局は「フルローン」で買えるということを最大のセールストークにしていたと思います。

 

現在は、初心者が「フルローン」「オーバーローン」は成立しづらい環境ですが、当時シノケンは独自の金融機関を持っていて、属性に問題なければ確実にローンを組ませることができたのです。

 

「表面利回り」が載っていなかった

その後押しとして「投資利回り」が有効な数字だったので、提案資料の一番目立つところに記載されていました。改めて資料を見てみると、不思議なことに「表面利回り」が載っていません。

 

シノケンとしてはそこまで「表面利回り」が重要ではないという判断での提案資料かもしれませんが、初心者にはわかりにくく、他のアパート会社とは比較しにくい内容でした。

 

改めて計算をしてみると、当時でも7%以下の利回りでしたので、投資金額に対して、そこまでキャッシュフローが出ていませんでしたので、最初の投資物件にしなくて良かったと思います。

 

今は提案をいただくこともないので、現在の資料内容を確認できないのですが、できれば「表面利回り」を明記して不動産投資の対象になるかの判断ができればよいなと思います。