日本経済の低迷が数値として鮮明になりました。コロナ禍を直撃した4〜6月の実質国内総生産(GDP)が前期比で27.8%とマイナスとなりました。
これはリーマンショックより大きい下げ幅です。リーマンショック時と大きく異なるのは「消費」することが少なくなったことです。
飲食、観光、エンターテイメント、小売などでお金を使うことができなくなったことは、今までの生活では考えられなかったことです。
お金の問題には相談が必要か
消費が少なくなった業界を中心に「給与」なども減少していくことは避けられない状況です。そうなれば経済全体での「お金」に対する不安も高まります。
また昨年度においては「老後資金が2000万円不足する」というニュースが話題となりました。
世代関係なく生活資金や老後資金を対策を考える機会が増えています。
実際にスマホを使ったインターネット証券サービスなどで株に投資をする人が増えるなど将来を考える良い機会になったと思います。
しかし今まで貯金がメインで生活をした人からすれば、全く未知の話になるので投資に詳しい人に相談をしたくなります。
お金の専門家としてファイナンシャルプランナー(FP)という職種があります。
FPに相談するという選択肢が出てきますが、実際には本当に相談してもよい「プロ」なのでしょうか。
お金を相談できる専門職は多種多様
お金の相談をするのは独立系金融アドバイザーと呼ばれる業種です。
- FP:お金やライフプラン全般の相談に乗るファイナンシャルプランナー
- IFA:株式や投資信託などを仲介する金融商品仲介業者
- 投資助言業者:商品を売らず投資アドバイスに徹する
ここ数年注目されているIFA(金融商品仲介業者)です。
かつて金融機関に属して業務を行っていたのですが、やはりノルマ重視の業務内容に嫌気が差して独立した人たちが増えています。
「お金を相談できる人として理想を掲げて顧客ファーストで仕事をする」というIFAが脚光を浴びているのです。
しかし実際の業界のコメントを見る限り「IFAが顧客本位かどうかで見るとできているのは2割程度」という状況のようです。
IFA(金融商品仲介業者)とは何か
FPは一般的に聞いたことがあるかもしれませんがIFA(金融商品仲介業者)は聞きなれない言葉だと思います。
IFAは英語で表記では「Independent Financial Advisor」の略称です。
日本では「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」などと呼ばれています。
投資などの相談をするときは銀行や証券会社をはじめとする特定の金融機関を思いつくかと思います。
IFAは独立系ということなので中立的な立場から顧客にアドバイスすることができる資産運用の専門家になります。
しかし実態はフリーランスと同じなので、証券会社などの「金融商品取引業者」と業務委託契約を結びます。
そして顧客となる投資信託や株式、債券などの金融商品の提案を行います。
通常の金融機関の社員とは異なるのは過剰なノルマがないことです。
多くの金融商品を取り扱える立場になるので複数の金融機関と契約することもできます。
IFA(金融商品仲介業者)は本当に味方か
顧客視点での提案ができるとされています。しかし実際には販売手数料の高い商品を優先して提案しているというのが現状のようです。
これでは、何のためのアドバイザーなのかわかりません。独立系FPだから安心というわけではなさそうです。
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の、主に独立系が登録するサイトで都内のFPを調べると、4割はIFAや保険代理店を兼ねていました。
純粋な相談料では通常1回数万円しかとれず、商品を売らないと収益的に厳しいのが現状のようです。
実際「独立系FPだから安心」と思って相談したら、高コストの外貨建て保険に必要もなく加入させられたといった話も出てきます。
この仕事で生活をしているのであれば当然の結果だと思います。独立系といってもいわゆるフリーランスと同じです。
一般的に本来求める「お金の専門家」とは
「お金の専門家」に求めるのは客観的な意見が聞けるアドバイザー的なことです。
アドバイザーという本来の定義であれば、商品を売らず投資の助言に徹することが正しい姿です。
本当にお金の相談をしても良いのかは冷静に考えるべきです。これは金融系商品に限らず、不動産投資でも同じです。
全国でも金融商品の販売額で優秀な成績を納めている人だから安心とは限りません。単なる「売りたい人」になっていないかなどの見極めが必要です。
コストパフォーマンスの悪い商品ばかりを契約するだけであれば、自分でインターネットで調べて申し込みをするほうが、商品知識を理解することもでき納得感があります。
コロナ禍での生活資金や老後資金を考えるのであれば、基本的には他力本願にはならないことが重要だと思います。