連日連夜で安倍晋三首相、小池都知事による新型コロナウイルス感染症に対する記者会見が繰り返して報道されており、「非常事態宣言」の懸念が広がっています。
「非常事態宣言」は出す条件にはなっていないとしても、すでに経済への影響の拡大がとまりません。会社員の方々以上にフリーランスの窮状が深刻な状態となっています。
フリーランスと呼ばれる個人事業主向けの「新型コロナ対策」も出遅れ感があるものの徐々に具体策出されてきています。
フリーランスへの3つの支援策
個人事業主、フリーランスは仕事を増やすことで多くの賃金を得る可能性がありますが、「安定収入」が得られるかどうかはサラリーマンの月給とは異なります。
仕事がなければ突然収入が減ったり、取引先を失ったりするケースがあるので「不安定」は否定できません。
今回のコロナウイルス感染によるフリーランスや個人事業主への経済的影響が大きくなり、政府も生活支援策が具体的に3つを掲げました。
- 小学校休業等対応支援金
- 生活福祉資金貸付制度
- 新型コロナウイルス感染症特別貸付
1. 小学校休業等対応支援金
小学校などの臨時休業に伴って子どもの世話を行うために、契約した仕事ができなくなった個人で仕事をする保護者には、「2020年2月27日~3月31日の間で、就業できなかった日について、1日当たり4,100円」が支給される制度です。
しかしこれにはフリーランスをしている労働者から非難がでています。会社員が有給休暇を取得した場合は、勤務先の会社に最大日額8330円に対して、仕事がなくなったフリーランスには半額の日額4,100円しか支給されません。
また受給には「臨時休校以前に業務委託契約等を締結していること」が要件とされ、「業務委託契約等」については、契約書や電子メールなど、何らかの書面等により、発注者からの指定の内容や報酬が確認できるものが申請には必要となるので、申請するだけでも時間がかかる作業が発生します。
2. 生活福祉資金貸付制度
新型コロナウイルスによる休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のためのお金が必要とする世帯は、「緊急小口資金」として20万円の融資を受けることができます。
無利子で保証人も必要なくお金を借りることができ、償還期限2年以内という条件です。こちらは当初「臨時休校により保護者」のみとされていましたが、現在はその制限もなくなりフリーランス、個人事業主全員が受けることができるようになりました。
加えて生活が困難な方には「総合支援資金」という形で2人以上の場合月20万円、単身者は月15万円までお金を借りることできます。
「緊急小口資金」と「総合支援資金」を併用すれば、最大80万円のお金を借りることができますが、生活レベルにもよりますが、家賃などを支払っていけば2~3ヶ月くらいしか持たないかもしれません。
3. 新型コロナウイルス感染症特別貸付
日本政策金融公庫などが、新型コロナによる影響を受け業況が悪化した事業者に対し、融資枠別枠の制度を新設しました。
信用力や担保の有無に関わらず一律金利とし、融資後3年間まで0.9%の金利の引き下げを実施する、という内容です。事業性があればフリーランスも融資を受けることができます。
個人事業主、フリーランスは、この制度で3,000万円まで貸し付けを受けることができるので、運転資金などが厳しい事業主には非常に有効な制度だと思います。
ただし融資条件として「最近1ヵ月の売上高が、前年または前々年の同期に比べ5%以上減少している」などの要件を満たす必要もあるようですが、この事態なので柔軟に対応もできるように配慮はされているようです。
フリーランスは堅実でないと続けられない
安倍晋三首相の記者会見では新型コロナウイルスについて「いつ急拡大してもおかしくない。長期戦を覚悟する必要がある」と最大限の警戒を呼び掛けています。
先ほどの経済施策だけでは長期的には対応できないフリーランスの方が多いのではないかと思います。
そうなると安定した仕事として会社員になるという選択肢もあるかもしれませんが、この状況下ではすぐに条件の良い仕事に就くことも容易ではありません。
WEB業界でフリーランスで仕事をしている人をみると経費を使うという名目で散財している人を多く見かけます。投資でお金を増やすという発想も少なく、貯金にも興味がないといった感じです。
フリーランスという華やかに見える職種も、自己責任で貯金をしたり投資をしたり地道に蓄財を増やしていくことが必要です。むしろサラリーマンより堅実性がないと続けることができない職種だと思います。