年金不足問題から考える投資の必要性
「年金2000万円不足」騒動はしばらく続きそうな気配ですが、おかげで個人への年金興味は上がってきたのではないかと思います。
20代、30代の若い世代でも遠い将来のように思えるかもしれませんが、今から現況を理解しておく、また私的年金含めて準備しておくことは正しいと思います。
今払っていないとしたら、将来月額5万円、10万円でも支給されるはずのお金が入ってこなくなります。終身もらえる年金制度は、たとえ少額だとしても利用しておくべきだと思います。
年金問題から発している部分が大きいですが、一般の方も「投資」に対して前向きになり始めていることも良い傾向だと思います。
「投資」は「リスク」があると考えがちですが、投資をしなければお金が増やせないということを前提に考えるべきだと思います。
個人投資家の4割は「老後資金」のため
すでに積極的に投資をしている人は何を目的にされているのでしょうか。
日本経済新聞で個人投資家向けに発行している「日経マネー」調査で興味深い内容の結果が掲載されていました。
あなたが投資する理由・目的は?
老後資金のため 38.3% 生活資金の上乗せ 13.3% 投資が楽しい 12.2% 給与に不安 8.8% 早期リタイア 7.7% その他 19.3% ※4月12~30日にインターネット上で実施。回答者:1万2630人
引用:日本経済新聞
個人投資家の約4割が老後資金の確保を主な目的に投資していることがわかりました。
特に50歳代では54%、60代では44%にのぼるとされています。50代の方が多いということはそれだけ危機感と余裕を持って準備しておきたいという傾向になりました。
投資目的を聞いたところ「老後資金づくり」が30代以上の世代ではトップでした。続いて「生活資金の上乗せ」「投資自体が楽しい」となっております。
「老後資金は約2000万円必要」との金融庁の報告書が良く悪くも、投資家の意識を変えていっているのだと思います。
私も不動産物件の融資を受けるための面談の際には「資産形成」「老後資金(私的年金)」のためということで説明をしました。
そういう将来に向けての投資であれば、銀行も健全性を理解して協力的になるのかもしれません。
「早期リタイア」は現実的ではない
間違っても「早期リタイア」で投資をするものではないと思います。今回の調査でも一部の方(全体の7.7%)が回答しています。
今回の調査人数からすれば、972名になります。これを多いと捉えるべきか少ないと捉えるべきかは受け止め方にもよりますが、まだまだ少数派でしょう。
このような給与も上がりにくい経済状況や年金も足りないという制度が不安な時に「早期リタイア」は現実的ではないと思います。
不動産投資で一般のサラリーマンが億単位の融資を受けて、地方でのRC一棟購入し、キャッシュフロー数千万円を得て「早期リタイア」を目指すような動きが流行りがありました。
しかしこれは「借金」をした状態での話で、投資しては道半ばの状態です。「キャッシュフローが無くなれば物件を売ればいい」という発想もあるかと思います。
融資もつきにくい時代にそう簡単には売れませんし、購入時以上に高くなっていることは地方物件であれば考えにくいです。
「生活費の足し」にするなら「副業」
本当に生活が困難な状態でなければ「投資」で得たお金を使うことはしない方が賢明です。
できれば本業の給与で自分に見合った生活をすることを前提にします。少し余裕を持ちたいのであれば「投資」ではなく「副業」をした方が将来的にメリットがあります。
「投資」はあくまでも将来に向けての活動と捉えた方が良いのではないかと思います。月々で投資成績の成果を見ているのであれば一喜一憂することなく長期的な視点で考えるの方が健全です。
「早期リタイア」「生活費の足し」が主目的になると「投資」の方が気掛かりになり、本業にも支障が出てくると思います。
「投資」は長期的に「副業」を短期的に捉えて本業だけでない収入の複線化を準備していくことが大事かと思います。