全国の地銀で、紙の通帳のデジタル通帳への切り替えを促す動きが広がっています。
残高を見るだけであれば、インターネットで確認できるサービスが大変便利です。スマートフォンの利用者も増えている中で、パソコンでの確認だけでなく各金融機関もスマートフォンの専用アプリも各金融機関も出し続けています。
各銀行ともデジタル通帳の利用者数を増やすために様々な販促をしています。三菱UFJ銀行が紙の通帳からデジタル通帳に切り替えた利用者に1000円を提供するキャンペーンを展開中です。
地銀もコスト削減につながる通帳レスへの移行に力を入れ始めており、横浜銀行は3日、紙通帳をやめてインターネット上で閲覧する「ウェブ口座」に切り替える預金者向けに、「もれなく500円分のAmazonギフト券プレゼント」というキャンペーンを展開しています。
デジタル通帳のメリット
デジタル通帳は字のごとく従来型の「紙の通帳」ではありません。「紙の通帳」を発行しない代わりに、スマートフォンやパソコンで残高照会・入出金明細照会ができるサービスです。
- 長期間での入出金明細の照会が可能
- 通帳紛失・盗難の心配なし
- 通帳記帳や通帳繰越が不要
紙の通帳であれば、しばらく通帳記帳をしないと一式でまとめられる場合があり、明細が別用紙で出されることになります。お金の出し入れを管理する上でも不便さがあるのです。
紙の通帳の場合は通帳記帳などですぐに交換する場合があり、前の通帳の処分にも困ることがあります。デジタル通帳になれば、その点もなくなり、いつどこでも確認できます。
デジタル通帳のデメリット
紙がなくなり環境にも優しくなりますが、それなりのデメリットもあります。
- 閲覧可能期間を過ぎてしまうと、データを見られなくなる
- プリントアウトを自発的に行わないと、データが手元に残らない
- 紙の通帳に戻したいときは、基本的にWEB上では行得ない
- キャッシュカードがなくても、紙の通帳でATMで現金の預け入れができる
それなりのデメリットが存在しますが、手軽になることとスマートフォンで各銀行を一元管理できるということ考えれば、デジタル通帳の方に優位点があります。
融資利用の際のデジタル通帳の注意点
住宅購入や不動産投資で金融機関から融資を受ける際には、金融資産を示すために「紙の通帳」などを提示する場合があります。エビデンスと呼ばれる金融資産を証明するものです。
しかしデジタル通帳となれば、紙で出力するものがありません。PDFファイルなどにして提出することも可能ですが、改ざんすることも可能なので金融機関によっては提出を認めない可能性があります。
銀行との面談などでの確認ともなれば、パソコンやスマートフォンで実際のデジタル通帳のログインする場合もあるようです。
やはり審査の際には手間にはなりますが、該当の銀行に金融残高を証明できる資料を用意してもらう方が確実かもしれません。
デジタル通帳の可能性
紙からデジタルに移行していけば、金融機関の無駄なコストが掛からなくなり、その分サービスなどに還元に期待ができます。
また個人の端末機器で情報を一元化することで、毎月銀行のATMや窓口に並ばなくてもよくなり管理が容易になります。
キャッシュレス決済と同じくらいに「通帳レス」は今後も加速していくと思います。