「フラット35」の不正利用は20億円以上か
「フラット35」の不正利用によるマンション投資に関して、住宅金融支援機構による調査結果から疑いがあったとされる113件に対して、実に105件の不正を確認したとしています。
調査対象の93%近くの確率で不正があったということになります。かなりの確率だと思います。
物件は中古マンションが多く価格は1~2千万円台のものが多かったとしています。
2,000万円の融資としただけでも、実に21億円以上の不正利用です。
「フラット35」の原資が我々の税金だとすれば、とても許されない事件となってしまいました。
また、どのような基準で疑いをかけた物件を選定したかは不明です。
融資を斡旋したのが「特定の不動産業者」や「対象不動産が投資系の物件だった」などで具体的に抽出したのではないでしょうか。
一般的な見方をすればレオパレスの施工不良が発見された時と同じく、氷山の一角ではないかと思います。
今回は外部からの通報とされていますので、元社員かライバル企業によるものだと思います。
普通に考えれば、不動産業界の商慣習の中で蔓延していたグレースキームだと考えられます。
不動産購入者は年収300〜400万円台の若者
このような住宅ローンを使って投資物件を購入する発想を「一般人」が考えにくいです。
何かしら不動産投資に詳しい人間でしかできないスキームです。また知っていたとしてもリスクが高いので、どれだけ欲しくても選択しません。
当初このニュースを聞いた際に「不動産投資のリスクを知らない一般人が購入してしまった」としか思えませんでした。
今回の調査で公表された中で明らかになったのは、購入者が偏っていました。
・年齢:20代〜30代
・年収:300〜400万円
金融機関からすると不動産投資をするには、条件が厳しくなりやすい条件の方々です。
どういった動機で購入したにせよ、リスクが高い不動産投資だと思います。
不動産業者は「投資」ではないと申込
また今回の動きは下記の事業者グループが関与していたと発表しています。
・投資物件の購入を勧誘する複数の紹介者
・特定の売主の社員(現在は退職済み)
・不動産仲介事業者
・サブリース事業者
連携感も強く組織的な犯行が横行していたと思われます。
「投資目的」ではないと申し込みをしていた時点で、コンプライアンスが破綻しています。
不動産投資全般に昨年からの不正利用が起こりマイナスイメージがある中で、またしてもモラルがない企業グループがいたことにとても残念でなりません。
住宅金融支援機構では、さらに57件の不正利用の疑いがあると公表していますが、高い確率で不正をしていると思います。
不正融資とされた際に購入者に一括返済を求めるとされています。
先ほどの年収が高くない若い人たちは「返済できない」可能性が極めて高いと思います。
このようなリスクを本当に話さずに申し込ませていたと考えると悪質でしかありません。
自社の利益のためのスキームが常態化していた不動産業者が一部であることを願いつつ、住宅金融支援機構側も2度と起らないように再発防止策を徹底してほしいと思います。
[https://happy-apartment.com/2019/05/08/was-aruhi-exploiting-flat-35/]