年収1,000万円でも「勝ち組」とは言い切れない

年収1,000万円あるサラリーマン家庭の家計が思いのほか貯蓄も貯まらない状況に陥りやすいとされています。1,000万円となると高収入の領域として憧れのステータスとされていましたが、税金に対しては増税のターゲットになり「取りやすいところから取る」姿勢が鮮明に出てきています。

 

手取りに至っては20年間で実に11%もダウンしている計算になっていると言われており、額面が増えても残るお金がそれほど増えていません。会社で部長クラスの方でも月末になるとお金がないと冗談交じりに言っていても事実かもしれません。

 

一般的にと手取りに関しては大まかには下記のような方法で算出できます。累進課税に基づくと1,000万円以下は年収の2割~3割程度は何かしら引かれているかと思います。

1.年収-給与所得控除=給与所得
2.給与所得-所得控除=課税所得
3.課税所得×税率
4.年収×15.275%=社会保険料
5.年収-社会保険料-税金=手取り

年収1,000万円の場合ざっくり計算をすると下記のようになり、手取りが7割近くになってしまいます。

1.給与所得
1,000万円-220万円=780万円

2.課税所得
780万円-(38万円+38万円+12万円)=692万円

3.税金
所得税:692万円×20%-42万7,500円=95万6,500円
住民税:692万円×10%=69万2,000円

4.社会保険料
1,000万円×15.275%=152万7,500円

5.手取り
1,000万円-95万6,500円-69万2,000円-152万7,500円=682万4,000円

 

高収入と言われている日本での1,000万円のあるサラリーマンの現状です。ボーナスを年間で4か月分にすると、月の手取りは42万円になります。これが多いか少ないかは消費する内容にもよりますが、極端に多いというわけではない印象です。

 

年収1千万となれば、一部上場の大企業であれば40代半ばから50代に掛けて達する金額かと思われます。そのころには20代後半~30代に結婚して子どもがいる家庭では、受験などもあり「教育費」が重くのしかかる世代でもあります。加えて「住宅ローン」の支払いや場合によっては、将来の「老後資金」も準備していかなくてはなりません。

 

また、それなりの年収があれば、おそらく管理職かと思われますので普段の業績のプレッシャーもあり、年収を維持していくことも大変になってきますし、会社の付き合いもあり飲み会、ゴルフなど何かと消費していく機会が多くなると思います。

 

一番危険なのは貯蓄ゼロが2割もいるとされていることです。家族がいて貯金が100万円もないとすると、急な出費にも耐えられない危険水域にいると思います。

 

本業に依存せずに副業で収入を増やす、嗜好品を買わずに浪費を抑える、税金を理解して出来るだけ支払いを抑える( 過度な節税はよろしくありません )など自己防衛が必要かと思います。