ハワイへの渡航自粛「海外不動産投資」は急ブレーキ

ハワイへの渡航禁止で海外不動産投資が急ブレーキ

新型コロナ不況への対応が迫られるなかで、インバウンド頼みのビジネスや海外生産拠点の企業は大きな転換期になりつつあります。

 

自動車業界、小売業、家電業界など海外依存の産業は「警告」と受け止めるべき状態です。特に中国に依存している企業は深刻です。一時的なものではありません。

 

極めて世界中で衝撃を与えている業界が航空機産業です。各国が入国制限や渡航禁止が広がる中、欠航が相次いでいます。

 

昨日は全日本空輸は、航空需要の減少で一時的に人員に余剰が出ていることを受けて、約5000人の客室乗務員(CA)を4月から数日程度休業させる方針を固めるというニュースが流れました。先が見えない状況が続きそうです。

 

「海外不動産投資」のデメリットが露呈

海外での不動産投資をされている方はさらに深刻な状況になっているのではないかと思います。

 

海外で不動産投資を持つことは公然と海外に行くことができ経費計上もできるということで人気の投資対象でもありました。

 

しかし国内の不動産投資にはない独特のデメリットがあります。海外不動産投資でのセミナーに参加したことがありますが、そこまで大きく取り上げていませんでした。

海外不動産投資のデメリット
  • インターネットや書籍でも情報量が少ない
  • 言葉や法律、常識、商習慣が異なる
  • 遠方のため管理コストがかかる

インターネットや書籍でも情報量が少ない

絶対的に情報量が少ないので、積極的に調べて確認していく必要があります。セミナーも他の国内不動産関連と比較しても少ないので、専門家含めて実績のある不動産投資家を探すことも大変な状況です。

 

インターネットの情報も断片的なものが多いので本当に大丈夫なのかという点では、なかなか入手しにくい状況でもあります。

言葉や法律、常識、商習慣が異なる

言葉の違いあるのが大きいですが、法律一つとっても日本国内のルールが適用されないことが多数あると言われています。

 

日本では常識と思っている商習慣でも海外では通じないことも多く、ストレスを感じることが多いと聞きます。

遠方のため管理コストがかかる

日本国内であれば解決できることも海外に不動産所有していると簡単ではありません。管理会社も現地を信じて委託するしかありません。

 

清掃費や修繕費なども法外であっても支払うしかない場合もあります。ましてや今回のコロナウイルスで対応できる人が少なくなり、コストが割高な状況になったとしても相見積もりをして交渉することも容易ではありません。

渡航できない海外不動産投資が続けられるか

海外不動産投資は富裕層の節税スキームとしても活用されていましたが、2020年度の税制改正で、海外の不動産を使った節税法が封じられることになりました。

 

ハワイの中古不動産を購入して多額の減価償却費を計上し「損益通算」によって節税するというものです。所得が高いほど節税効果も高いことから、主に富裕層の間で広まっていました。

 

しかしこの方法もできないかつコロナウイルスで渡航も禁止された状態では何もしようがありません。現場がどのような状況でも現地に任せるしかありません。

 

国内の不動産投資をしているのであれば、多少無理してでも現地で対応が可能な状態です。しかし海外の場合は簡単ではありません。

ハワイへの渡航は30日間自粛

海外不動産投資は、住居系ではなくリゾート系の不動産物件を持っているほうが多いと思います。リゾート系であれば観光目的の「民泊」での活用をしている場合もあります。

 

しかし「民泊」への逆風は止まりようがありません。日本国内でも2月以降キャンセル率が8割~9割になっているという状態です。

 

そして人気のリゾート地ハワイもコロナウイルス感染者がでました。

 

ハワイ州のデイビッド・イゲ知事は「旅行を予定している方には延期するよう強く求める」ことを発表しました。少なくとも30日間はハワイへの渡航を控えるよう求めたのです。

 

ハワイ州の感染者は今のところ13人ですが、バーやナイトクラブ、映画館なども一時的に閉鎖するとしています。

 

人気のリゾート地「ハワイ」でも観光産業を諦めたことで、世界のリゾート地でも同じような動きがでてくるのではないかと思います。

 

「海外不動産投資」も一時的な状態かもしれませんが、長期化すると収支が成り立たず撤退をせざるを得ない状態になる可能性が高くなります。

 

憧れの「海外不動産投資」でしたが転換期を迎えているのかもしれません。

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