不動産投資の成功でマレーシアに移住しても数年で帰国してしまう理由

クアラルンプール

サラリーマンが不動産投資で一定の家賃収入を超えるとアーリーリタイアをする人がいらっしゃいます。

 

不動産投資の規模が大きくなり「家賃収入」でサラリーマンの年収を超えたあたりから「早期退職」が現実的に考え始めます。

 

有名な不動投資家たちがこぞって使っていた「経済的自由」を手にすることで、アーリーリタイアを行うのです。普段の生活でストレスの多いサラリーマンであれば、憧れのライフスタイルの一つです。

 

時間が自由に使えるので、今まで行けなかった「旅行」や「趣味」に費やす方が多いのです。その中でも海外生活を選択する人がいらっしゃいます。

 

ブログなどで海外移住を満喫されている様子を発信する不動産投資家の方もいらっしゃいます。しかしここ最近の風潮を見ると国内に戻ってくる方が多いような印象です。

 

私の知り合いにもIT系で成功を収めて、家族とともにマレーシアに移住したのですが昨年から東京近郊に戻ってきた話を聞きました。一体なぜでしょうか。

東南アジアでの海外移住で「マレーシア」が人気

海外での生活となると「ハワイ」などリゾート地を考えますが、ここ最近はやはり「東南アジア」が人気です。生活費も日本に比べて安いという点もあるので移住希望される方が多いのではないでしょうか。

 

東南アジアで有名な先進国は「シンガポール」です。ITベンチャー企業の経営者が財を成したあとに移住する人が多くいらっしゃいます。しかし生活水準は日本よりも高い場合もあります。

 

そこで次に人気なのは隣国の「マレーシア」です。テレビで海外移住を応援する番組などでも度々取り上げられるているので有名にもなりました。

 

ジムやプールがあり、しかも家具付きの高層マンションでも家賃が10万円もかからないという話です。しかも年中温暖な気候なので憧れて住む人が多いのも納得です。

 

しかし憧れの海外移住でも実際には数年で帰国してくる方は多いのです。

 

理由1  生活費がそこまで安くない

マレーシアに限っていえば基本の物価は日本の2/3くらいが目安です。

 

テレビでもよく取り上げているローカルフードは1食400円ほどで食べられます。

 

しかし毎日食べれるわけではありません。やはり日本食も食べたくなります。

 

日本食レストランでランチしたくても普通に1,000円以上します。

 

また食材を買って自炊すればよいとも思いますが、日本のものは2〜3倍くらいの値段がします。

 

東南アジアでの海外移住でありがちな節約生活ができると考えていたとしたら失敗します。

 

現地生活レベルで考えると10万円程度で生活できるかも知れません。

 

日本と同じレベルでの生活を考えると日本と同じくらい、またはそれ以上かかります。

 

思ったよりも費用がかかり生活出来ず帰国する方が多いのです。

 

理由2  生活習慣を受け入れらない

さきほどの日本食に限らずですが「日本至上主義」であれば、現地の生活習慣を受け入れにくいです。

 

生まれ育った日本の生活には事細かなルールがあり、平和で安心できる文化が保たれていると言えます。

 

しかし海外生活ではそのルールが成立しない場合が往々にしてあります。

 

現地マレーシアの生活習慣を受け入れることができなければ、海外移住しても正直言って楽しい生活を送ることは難しいです。

 

事実毎日の生活が楽しくないと精神的にストレスも溜まっていきます。結果、現地人への不満も積もり帰国をしていく人も多いようです。

 

理由3  教育環境が安定しない

マレーシアに移住した知り合いには家族持ちでした。教育面を期待していた部分もあります。

 

多国籍国家なので、英語含めて様々な言語を飛び交います。知り合いはまだ子どもが幼かったので国際社会に備えて英語力をつけようとしていました。

 

教育移住で来た多くの日本人には、日本の私立学校のように「偏差値で秀才を揃えた学校」が存在しないことに愕然とするようです。

 

英語力や他国の習慣や知識はつくかもしれませんが、国内の有名大学などに帰国子女枠で入学は厳しいのかもしれません。

 

そうなるとこの先も地元マレーシアや近隣諸国での大学でステップアップしていくほうが賢明なのかもしれません。

 

理由4  治安がよくない

日本とギャップが一番大きいのが治安の問題かもしれません。

日本では世界有数でも治安が良い国です。マレーシアも比較的治安が良いと言われますが、夜間の外出に気をつければよいというレベルではないようです。

 

昼間歩いていて襲われる事件も頻発していますので、日本領事館のホームページでは「日頃から利用する道路であっても警戒を怠らず、昼間、短距離、短時間であっても、徒歩での移動はできるだけ避ける」と言っているくらいです。

太陽が降り注ぐリゾート地のような気候ではありますが「ここなら大丈夫」という場所はなさそうです。

 

日本が安心に暮らせていたのかとギャップを感じた人は、数年で帰国をしているようです。

理由5  投資用不動産を購入できない

不動産投資でアーリーリタイアした人は専業の不動産投資家です。若くしてリタイアをしているのであれば返済が残っているはずです。

 

そうなると管理会社とのやりとりもまだ残ります。電話とメールでもできなくはないかもしれませんがトラブルが発生したときは対応しきれない可能性もあります。

 

また定期的に収支報告が必要な金融機関の場合であれば、訪問することも必須です。その際にサラリーマンを辞めて海外に移住しているとなると、場合によっては属性評価が下がるかもしれません。

 

一番大きいのは追加で不動産を購入するのが困難ということでしょう。専業の不動産投資家であれば資産の入れ替えも必要になりますが、これは現地で対応するのは困難です。

 

銀行に行くのも電車で1時間くらいのところなのに、1日がかりで海外から戻ってこなくてはいけないのは体力的にも負担がかかります。

 

現地の不動産を購入するという点もあるかもしれませんが、銀行の開拓含めて現地でネットワークを最初からしなくてはいけません。また利回りも日本のほうが高いと言われていますので拡張に期待できないでしょう。

 

目的を明確にしないと無題になる海外移住

何のために海外移住をしたのかを良く考えたほうがいいです。

 

移住する際も会社や学校、銀行、公共インフラ(電気、水道)などいろいろ手続きをし、リセットしてから移住していると思います。

 

そこまでエネルギーを費やして、1~2年で帰ってくるようであれば、無駄な時間とコストが掛かるだけで何のために海外移住したのかわかりません。

 

毎日ビーチでのんびりビールを飲むためであれば、国内でもできる話です。

 

どうしても海外で暮らしたいのであれば、二拠点生活のほうがまだ現実的です。

 

春から秋にかけれは日本ですごし、冬は温暖な東南アジアで暮らすほうがストレスなく過ごせるのではないか思います。