「米エアビー」25%の人員削減で「民泊」が完全にブレーキ

「米エアビー」25%の人員削減で「民泊」が完全にブレーキ状態

新型コロナウイルス感染により「民泊」サービスのビジネスモデルに対してブレーキが鮮明になりました。

 

民泊仲介サービスの代名詞ともいえる「エアビーアンドビー」が2,000名近い人員削減を打ち出しました。IT系大手の失速に「民泊」ビジネスに大いなる打撃となりました。

米エアビー、25%の人員削減へ

米民泊仲介大手エアビーアンドビーは5日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界的に旅行需要が激減していることを受け、全従業員数の25%に当たる約1900人の削減を実施する方針を明らかにした。

引用:ロイター

民泊の売上高は半分以下と予想

ブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO)は従業員宛てに「今年の売上高は昨年の半分以下になると予想している」通達したとされています。

 

米国で削減対象となる従業員には、14週間分の給与に勤続年数に応じた割増金を加算した額を支払うとしています。

 

14週間となれば3か月半程度です。月収40万円としても140万円の退職金で退社しなくてはいけません。厳しい現実となっています。

 

民泊利用に関する売上は新型コロナウイルス感染者数が世界で一番多いアメリカでの話ではありますが、日本国内も同様の動きになっているのではないかと思います。

 

リーマンショックのよう一時的な売上減ではありません。世界規模で連鎖しています。

 

現象は新型コロナウイルスが収束したとしても国内、国外問わずに旅行することはしばらく難しいと思われます。

民泊は衛生面で不安がのこるビジネス

民泊は一般的なホテルとは異なり、個人が運営しているので衛生面に不安が残ります。

 

宿泊者と接することのない場合は、検温するなどの対応もできないので健康状態に不安なまま宿泊される可能性もあります。

 

また宿泊した後も通常の掃除だけではウイルスを除去できたとは保証できませんので、次に泊まる人も確認ができないため利用することを躊躇します。

 

また「民泊」ビジネスをするオーナーは、代行業者に委託して運営していることが多いと思いますが、こちらも同様に清掃面で完璧にすることが難しいのではないかと思います。

民泊以外での活路を見出すしかない

不動産会社は物件の売買だけでなく、不動産管理を主業にしている会社も少なくありません。

 

不動産管理は不動産所有しているオーナーが不動産投資として委託して行うものです。

 

管理手数料も家賃の5%程度なので多くの物件を管理しなくては成り立ちません。

 

しかし昨今の不動産投資の厳しい状況もあり、管理戸数も伸び悩み「民泊」に振り切って管理代行をしている会社も多く存在していました。

 

今回の新型コロナウイルスにより「オリンピック観客」「インバウンド観光客」がゼロになるという誤算が生じました。

 

不動産会社も「民泊」以外でのビジネスを見出すしかありません。活路がなければ競合が多く薄利でも管理業に徹するしかありません。

旅行業界は大学生の就活でも人気企業

旅行および観光業界は仲介業という形で多くの企業が参入してきました。大手企業、中小企業に関わらず売上減は避けられません。

 

2021年新卒の就職先希望ランキングの上位20社の中に、JAL、ANA、JR東日本、JTBが入っています。数十年の渡っての人気の常連企業です。

 

安定感のある大企業ともされていましたが、各社ともに売り上げが大幅に下がっており、まだまだ先が見えない状況です。

 

輸送関係は公的な支援が入るとは思いますが、待遇面などは厳しいのではないかと思います。

 

特に飛行機は「三密」状況になる条件で長時間乗ることになります。本数を減らして席を間引くなどで対応するしかありません。

 

そうなると飛行機を運行するコスト対して採算が見合わないので運賃が高くなりそうです。

政府提案の「新しい生活様式」に旅行は不適

緊急事態宣言とともに発表されや「新しい生活様式」は旅行業界、観光業界のビジネスの根幹を指摘した内容です。

 

先日も中国が制限解除をした直後の観光地の映像がニュースで流れました。解放感からか相当な混雑ぶりでしたが、あの状態を戻すことは相当先なのではないかと思います。

 

「旅行」自体は非日常生活を楽しむためには良い経験だと思います。

 

しかし生命のリスクがあるのに敢えて行うものでもありません。

 

業界を維持するためには非常に厳しい判断が求められますが、これらも価値観を変えるパラダイムシフトの一つなのかもしれません。

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