新型コロナウイルスで「貸し会議室」投資も大打撃

貸し会議室投資に大打撃

新型コロナウイルス感染による影響は不動産関連の投資にも影響が大きく出始めています。特に住居系ではない不動産投資への影響は深刻な状況になっていくことが予想されます。

 

不動産投資といえば「住居系」と呼ばれる賃貸アパート、マンションなどがメインのイメージです。「住居系」は月額の家賃収入のため利回りに関してある程度の上限があります。

 

同じ不動産投資で利回りを上げるためには回転数を増やしていくしかありません。その事例の代表的なのは「民泊」です。しかし訪日旅行者をメインに展開していたビジネスですが、すでに日本に来る外国人の減少しており、非常に厳しい収益状況に陥っています。

 

もう一つ利回りを上げる不動産投資で有望だったのが「貸し会議室投資」です。しかしこれもイベントの中止やテレワークによる会議中止の煽りを受けています。

貸し会議室大手ティーケーピーが前期比57%減

貸会議室大手のティーケーピー(TKP)は6日、2020年2月期の連結純利益が前の期比57%減の8億2000万円になったと発表した。従来予想は51%増の28億円だったが、一転して減益になった。新型コロナウイルスの感染拡大で、企業イベントの中止が相次ぎ貸会議室の利用が減った。

 

貸会議室の2月の売上高は前年同月に比べて約15%減。企業イベント向けの高単価の会議室「TKPガーデンシティプレミアム」が不振だった。

引用:日本経済新聞

不動産投資家の間でも「民泊」につぐ投資先として「貸し会議室」投資を積極的に行っている方も多くいました。利回りという点でもメリットが大きいのと民泊に比べても維持費がかからないという点でもメリットがあったのです。

「貸し会議室」投資のメリット

最近、駅前のビルで「貸し会議室」や「ワーキングスペース」が増えてきました。これは多様な働き方であるフリーランスの増加など利用者の需要が増えていることもあり注目をされていました。

 

ビジネス以外でも、同じ趣味を持った人たちが集まるワークショップや個展、オフ会をする機会が増えてきました。駅前の貸しスペースで行えば、場所的にも集まりやすく便利です。またワークショップなど開催をするには十分過ぎるレベルの設備が整っています。

 

投資する観点からしてもメリットが多いため、不動産投資家からも注目をされていました。

貸し会議室 民泊 不動産投資
利回り
初期投資
メンテナンスコスト
管理体制
法的リスク
物件数

上記の比較表からすれば、ダントツに良さそうな感じですが、他の投資と比較して立地のよい物件数が少ないのが現状です。住居系や民泊のようなワンルームからできるわけではありません。

 

「貸し会議室」は利回りの良さとメンテナンスが比較的に低いことを活かして、長期的に維持することで多くの収益得ることができるので希望者の多い投資対象でした。

住居系以外の不動産投資の難しさ

しかし、今回ような新型コロナウイルスによるまさかの事態は予想できなかったかと思います。会議室の消毒の徹底や消毒アルコール液の設置など万全の準備をしたとしても、しばらくは利用者は戻らないと思われます。

 

「貸し会議室」投資は、住居系と違って不動産投資の難しさがあります。一つには投資としてのノウハウがまだ固まっていないということです。管理体制含めたノウハウができていないのかもしれません。

 

民泊のような専門業者も少ないためか、メンテナンスコストの妥当性もまだ安定していないのだと思います。

 

また「貸し会議室」は日中に利用者が入れ替わりをするためトラブルがおきたときの対応なども普段サラリーマンをしていれば対応できるわけでもなく、少々コストが高くても外部に委託するしかありません。

 

「貸し会議室」は新型コロナウイルスに思わぬ盲点が露呈されてしまいました。住居系以外の不動産投資をする際には、減収になるリスクが高いので手持ちの現金を確保するなどの補完ができることが前提に始めないといけません。

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