本年度末にむけて不動産投資関連のセミナーも増えてきつつあります。初心者向けの新築または中古ワンルームマンションセミナーから年金対策、相続対策など物件購入者の属性に合わせた内容になっています。
1年ほど前であれば「オーバーローンで不動産投資」「正社員でなくても不動産投資」と言ったような初心者でも参加ハードルが低い内容のセミナーも存在していました。
実際には高金利融資による地方RC一棟マンションだったり、一つ買えば個人の与信枠を使い切ってしまうような新築ワンルームマンションだったりが対象になります。
しかし、ここ最近の金融機関の融資引き締めにより「年収700万円以上」でのセミナーも見かけなくなりました。むしろ「2棟目を購入するためのアパート」や「法人化の勧め」など、すでに不動産投資の実績のある方向けのものが増えているような気がします。
このようなかなり対象者が限定されているセミナーが多い中である不動産投資関連の会社から下記のような案内メールが送られてきました。
「今回は年収2000万円以上の方、会社経営者の方限定での不動産投資スキームをご紹介するセミナーです」
1棟、2棟レベルでもおそらく参加できない内容になります。融資環境を考えて不動産物件を購入できる確度の高い属性を対象に売る方が確実だとの判断でのセミナー開催だと思います。実際に販売している商品はリノベーションをしたアパートなど比較的億単位の規模の大きいもの中心に展開している会社です。
私は残念ながら対象外ではありましたが、このメールからいかに不動産購入が厳しい条件が続いているのだと想像します。※しかしながら対象条件をセグメントせずに案内メールを出すのもいかがなものかと思います。
セミナー内容が一部抜粋ですが下記のような内容で、節税を中心とした内容になっています。
・減価償却を利用した所得圧縮の仕組み
・プラスのキャッシュフローと会計上の赤字を両立させる物件選び
・税率のギャップを利用して手取りキャッシュを最大化する仕組み
初心者には向かないのは当然ですが、不動産投資の二極化が進んでいるような気がしました。「買えない人」「買い続けることができる人」とタイミングが全てとは言えないですが不動産物件、不動産業者、不動産オーナーが限定されていくような流れになっていると思います。