2年前の不動産投資本はやはり「イケイケ」だった
週末は時間があったので、むかし読んだ不動産投資の本を読み返しました。
発行年月日は2017年後半ということで、まだ不動産投資の勢いがあったころだと思います。
数年前の本を読み返してみると、今との差分を確認ができるので今後の参考になります。
特に不動産投資の本の構成上、終わりのほうは今後の見通し的な内容が書かれています。
物件の価格の動向や金利状況などを見ると筆者の先を読む力も判断できます。
当然ですが、当時はここまで不正融資が社会事件に発展するとは思ってもみなかったとでしょう。
2年前とはいえ「ガンガン行きましょう」的な内容で当時の勢いを表しています。
「まだまだ不動産投資は買い続けることができます」「初心者の方も大丈夫」と啓発的な事が挙げられています。
オーバーローン推奨の不動産投資家
何人かの事例が出てくるのですが、中でも極端にオーバーローンで不動産投資をした方の話が印象的でした。
現金がなかったとはいえ、ほとんどの物件をオーバーローンで購入されているのです。
今の融資状況では、頭金を1割以上は必要です。メガバンクであれば3割は必要とされています。
オーバーローンは初心者はおろか実績のあるメガ大家でもできない条件です。
内容も地方のRC一棟を中心に展開されています。
企業名こそ出ていませんが、おそらく東証一部上場の大企業のサラリーマンかと思われます。
大企業の看板をフルに活かして不動産融資を短期間で得ています。
サラリーマンへの融資が2〜3億円が限界と思っていましたが、その方は10億円以上の融資を得ているのです。
そしてめでたく会社員を卒業して悠々自適の生活をしているということでした。
12億円でキャッシュフロー3,000万円の生活は安定的か
実際には12億円の融資金額を得ています。サラリーマンながら短期間で良くできたと思います。
はっきりとは書かれていないのですが、法人での融資を受けていることが書かれています。
おそらく一棟一法人スキームを多用したのではないかと想像します。これも今となっては通用しないグレースキームです。
実際のキャッシュフローは3,000万円近くあると書かれています。
ここも判断迷うところですが税込なのか税抜なのかによって評価がわかれます。
税抜であれば固定資産税などが加味されていません。RC一棟は固定資産税が膨大なので実際にはインパクトがあると思います。
いずれにしても、12億円借りれたことはスゴイと思います。キャッシュフローが3,000万円です。
しかし単純利回り計算でも2.5%になりますので、そこまで良いとは言えません。
投資額2億円でキャッシュフローが1,000万円のほうが安全です。
また、キャッシュフローが3,000万円で足りるのでしょうか。
運用費がかかる地方RC一棟ともなれば、修繕費だけでも大変なコストです。
お金を使わずにこの生活が出来たことは、憧れではあります。
しかし売買が厳しくなった現状ではリスクのほうが先行しているような気がします。
現金使わずの不動産投資が良いのかは、ここ数年でまた評価が変わるのではないかと思います。