コロナ不況で不動産投資ができる金融機関はあるのか

日本政策金融公庫

新型コロナウイルスによる影響は深刻です。特にアメリカは4~6月期に過去最大の2桁のマイナス成長に陥るとの観測が浮上しています。

 

短期的な経済ショックにとどめるため、最大2兆ドル(約220兆円)の資金支援を積み増す予定です。

 

国内でも大企業への影響は避けられない中で資金繰りが苦しくなった中小企業が増加していきそうです。

 

すでに政府が各種支援策を決定していますので、資金繰りに困った中小企業は取引金融機関にまずは相談するしかありません。金融機関側も審査含めて早急な対応が求められてきます。

 

不動産を事業としている方からすれば、この支援策への相談もできるかもしれませんが、不動産事業は投資としての意味合いが強いので、中小企業支援というカテゴリには含まれないかもしれません。

 

不動産投資を始めるのにはお金が必要

不動産投資で物件を購入する際にお金が必要です。余程の資産家ではない限り現金で不動産を購入できることが難しいです。

 

その際には一般の銀行からの融資を受ける必要があります。しかしそれには審査があり、不動産自体の評価や借りる人の属性などの条件によって融資の承認がおります。

 

しかしこのような経済環境の中では、銀行も簡単には融資をしません。その際に選択肢として出てくるのが「日本政策金融公庫」という金融機関です。

 

「日本政策金融公庫」は、すでに新型コロナウイルス向けの融資支援の案内を開始しています。

参考 生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付日本政策金融公庫

不動産投資ができる日本政策金融公庫とは

不動産投資の本やセミナーでも度々出てくる「日本政策金融公庫」とはどのような金融機関なのでしょうか。

 

一般的には馴染みのない金融機関で、駅前にあるメガバンクの店舗のようにほとんど見かけることはありません。

「日本政策金融公庫(日本公庫)」とは?

日本公庫は、100%政府出資の政策金融機関です。
銀行などの一般の金融機関を補完し、国民生活の向上を目的としています。
国の政策に則った固定金利、長期の融資制度をご用意しております(中略)

・日本公庫は、国が株式の100%を常時保有することが法律で定められている特別な株式会社で、
一般の民間会社や民営化を前提とした特殊会社ではありません。
日本公庫が株式会社の形態をとっているのは、株式会社のガバナンスの仕組みを活用して、
透明性の高い効率的な事業運営を行うためです。

引用:株式会社日本政策金融公庫『よくあるご質問』

不動産投資をするために、日本政策金融公庫を活用することはできますが「不動産投資をしたいので融資をしてください」では融資を受けられません。

 

名前の通り「日本政策金融公庫」は公的金融機関のため「投資目的」の融資を行っていません。(一般的な銀行も「投資」という目的では融資が出ないことが多いです)

 

不動産投資ではなく「事業」として見せることが必要です。不動産を購入する資金を融資してもらうという「事業」になりますので「不動産賃貸事業の申請」で証明する必要があります。

日本政策金融公庫で不動産投資をするメリット

事業として認めてもらえれば「不動産投資」の融資を受けることのできる「日本政策金融公庫」ですがメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

日本政策金融公庫のメリット
  1. 比較的低金利
  2. 総返済額が少ない場合がある
  3. 属性が良くない層でも融資を受けやすい
  4. 対応エリアが広い

低金利でお金を借りることができるのは非常にメリットがあります。それだけ事業としての成功の確率が求められます。

 

賃貸業としての不動産自体の評価や経費などの計画に問題がないかなどの経営者視点の対応が求められます。

日本政策金融公庫で不動産投資をするデメリット

使い勝手のよい金融機関ではありますがデメリットも存在します。

日本政策金融公庫のデメリット
  1. 融資期間が短い
  2. 毎月のローン返済額が大きくなる
  3. 担保にする物件の審査基準が厳しい

不動産投資として「日本政策金融公庫」を利用するには、ある程度の頭金( 現金 )がないと収支が回らないかもしれません。

 

初心者が軽い気持ちで借入するには難易度がある金融機関です。

 

また斡旋の実績のある不動産会社も限られています。メリット・デメリットを理解してから、不動産会社に相談することをお勧めします。

有名不動産投資家でも資金繰りが課題

一部の有名不動産投資家の間でも資金繰りが難しいという状況になっている方がいらっしゃいます。

 

共通していえることは「住居系」の不動産投資を実施されていることです。

経営が難しくなっている不動産投資
  • テナント(飲食、小売系)
  • 民泊
  • ホテル
  • 貸し会議室

不動産投資と融資の関係は非常に重要です。借りれるから始めるという判断は今後は難しくなると思います。

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