先日の台風19号により一部の都市部のマンションにも被害がでました。その象徴的なマンションとなったのは、武蔵小杉のタワーマンション(タワマン)です。
1か月前までは誰もが憧れる住居であったのにも関わらず、一時の災害により住むことが不便になり、資産価値まで揺るがしかねない事態に陥っています。
問題とされるタワマンは、47階建て高級タワーマンション「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」です。電気はおろかトイレも使えない状況が続き、住民向けに携帯トイレが配布されたという有様です。
元々沼地だった場所に建てられたタワマンということで水害にも弱かった部分もありながら、重要な電気設備関連が地下にあったことも災いしてライフラインが停止したとされています。
ライフラインとなる電気、水道が止まることで生活が困難になり、今でも住民が近くのホテルや知人宅で生活を余儀なくされている人もいらっしゃるようです。
さらに賃貸でタワマンに住んでいる方もいらっしゃいます。
タワマン賃貸をしているオーナーには大打撃
タワマン所有者で賃貸に出している方もいらっしゃいます。転勤などの仕事の関係で賃貸をしている人もいるかもしれませんが、不動産投資目的で購入している方もいらっしゃると思います。
憧れのタワマンに借りて住んでいる方もいらっしゃいます。被害を受けた「パークシティ武蔵小杉」だけでなく他のタワマンでも解約して退去する人もいるのではないかと思います。
タワマンなので賃料が数十万円になることがあります。数十万円を支払いができる方の属性は相当限られています。
今回のような災害が出たあとに、敢えて借りる人はいないと思います。同じ値段を払うのであれば戸建てなどを賃貸したほうが良いと思います。
またタワマンをこそれでも選択したいのであれば、武蔵小杉のような川沿いではないエリアに住む必要はありません。
不動産投資として安定的に収益があげられるはずのタワマンですが、購入価格も高いので返済金額も高いはずです。一度空室になった際のインパクトがあまりにも大きいと思います。
またタワマンをサブリースしている不動産会社もあるようですが、今回の事例を機会に見直しする可能性がありますので、いずれにしてもオーナーには大打撃です。
タワマンを売るにも時間がかかる
賃貸が難しくなると「売却」するしかありません。
「パークシティ武蔵小杉」は武蔵小杉の開発当初から人気のタワマンでした。駅からも近い場所にある一等地で、今でも一億円近い値段がつく人気物件もあると言われています。
いきなり値段がさがることはないかもしれませんが、すぐに売れる状態であった物件でも長期化することは想像されます。
しかし今回の災害などで資産価値が下がるような噂が立つと「高い値段のうちに売却したい」と売り急ぐ人も出てきます。
そうなると相場よりも低い価格で売りに出す可能性があるため、周辺の不動産物件に下がり相場になる可能性があります。
「住むに不安」「賃貸にも出せない」「売却もできない」となるとタワマンオーナーとしては負の資産である「負動産」になりかねません。
また今回の被害に対して補強などで「積立修繕金」などが高くなっていく可能性もあります。
いずれにしてもタワマンを保有し続けることは、それなりの難易度があるのかもしれません。