欧米を中心に若いうちにフルタイムの仕事を早くから最低限の生活費を確保してリタイア(引退)するスタイルが増えています。
それは心から望んでいる人生を送る新しいライフスタイルの一つとして注目されているのです。アメリカではリタイアすることを「FIRE」と呼んでいます。
目次
新しいライフスタイルである「FIRE」とは
日本でも「新卒から定年まで週5日9時17時残業」が当たり前のような会社員生活が「フレックスタイム」や「週休3日」「副業」などで変化しつつあります。
アメリカでは若いうちにフルタイムの仕事をリタイアすることが憧れのスタイルとされています。
リタイアすることをアメリカでは「FIRE」と呼ばれています。
Financial Independence and Retirement Earlyの頭文字
「FIRE」ムーブメントとして知られており多くの欧米のメディアも取り上げられている現象
従来のリタイアであれば、起業などで多くの利益を得て大富豪となり引退するようなイメージがありますが、今起きている「FIREムーブメント」はそのようなステレオタイプのスタイルではありません。
- 生活費の節約
- 収入の多様化(副収入)
- 投資を活用
もっとシンプルに言えば「年収400万円」程度で生活できることを目標にしている。35歳で引退して年金を受給するまで30年間とすれば、単純計算で「1億2,000万円」が必要になるということです。
30代で1億円以上を貯めるのは現実的ではありません。これは1億2千万を貯めるのではなく、年収400万円を不労所得ないしフルタイムで働かない環境で得ることを意味します。
もっとも家族構成や住んでいる居住地などで必要なお金は変わってきますが、年収400万円で生活をする目標を立てるのは具体的でわかりやすい指標だと思います。
「FIRE」には3種類存在している
FIREには大きく3種類のタイプが分かれています。
- Lean FIRE
生活費を極限まで下げてリタイアする生活 - バリスタFIRE
バリスタのような仕事(パートタイム)を少ししながらリタイアする生活 - Fat FIRE
十分な資産でゆとりあるリタイアをする生活
「Fat FIRE」は昔からのイメージである大富豪が、高級車に乗って、世界中を旅行して優雅に暮らすスタイルであります。
今、アメリカの若い方で流行っているのは、「Lean FIRE」であってどちらかというと質素な生活 です。無駄を省いて働かなくても堅実な暮らしができることを理想としています。ミニマリストにも通じる話です。
アメリカでリタイアするために必要な貯蓄は、年間支出の約25倍という基準があるようです。
車も持たず、家も安い地域で質素に暮らしをする前提であれば、3人家族300万円とした場合、7,500万円あれば十分暮らせるという計算になります。
「FIRE」を実現するための4つのステップ
アメリカでFIREを実現するには4つのステップが必要とされています。
- 生活費が必要となるのかを把握すること
- 必要な目標額を把握すること
- 収入を上げること
- 投資をすること
生活費が必要となるのかを把握すること
質素なライフスタイルを想定することで毎年の生活費を抑えることを把握します。
そうすることでリタイアまでに貯める必要のある金額が明確になります。目標額に到達するまでの期間も具体化されます。
必要な目標額を把握すること
次に自分の貯蓄を把握することです。貯蓄とは貯金だけでなく、株式や不動産などの資産を把握します。そして住宅ローンや自動車ローンなどの負債を差し引いた金額(純資産)を明確にします。
目標額に対して純資産を引いた金額がこれからリタイアするまでに貯蓄する必要のある金額 になります。
収入を上げること
そして一番大事なのは収入を上げることです。いま働いているフルタイムでの会社員の給与だけでは目標を達成するのであれば、収入源を増やすことに徹するべきです。
会社員としての福利厚生と給与を最大化したうえで、休日や隙間時間を利用して自分の特技を生かした副業を始めることが近道です。
ここで決して転職を選択肢に考えないことです。余程のことがない限りは転職することで無駄な時間や労力がかかるかもしれないからです。
投資をすること
アメリカは「投資大国」と呼ばれるくらいに、国民が意識して積極的に投資をしています。投資によるリターンを収入源として期待しているのです。
貯めたお金を長期的に年間数パーセントのリターンが期待できる株式市場に投資するというのが資産運用における基本的な戦略となります。
株式投資に限らず「不動産投資」「金投資」「FX投資」「ロボアドバイザー投資」など長期的に取り組める投資を行うことで「FIRE」が現実的になってきます。
年収1200万円も必要ないという考え
「2億円稼がないといけない」「年収1200万円(月100万円)いけない」という視点からすれば先ほどの「年収400万円」はリタイアのハードルが低くなります。
不動産投資をしていると40~50代でアパートやマンション一棟を購入で数万円~数十万円の副収入を得ることを目標とします。
そして次のステージとして不動産投資を拡張して給与以上の収入源を作り「セミリタイア」することをステータスとして目標化していきます。
しかし「FIREムーブメント」も同じくリタイアではあるのですが、大きく異なるのはとにかく対象となる年齢がミレニアム世代(1980年代~2000年代に生まれた人)が中心で20~30代と早いということです。
一部のアメリカの若い人の間では、「お金のために働かなくていい人生」を「早い」段階で手にいれる というのが「有名企業に入る」または「起業して大富豪になる」より大きな人生目標になっているようです。
アメリカの若い人は、まずがネットビジネスで収入を増やして貯蓄する傾向があるようです。
日本であれば「不動産投資」をすることで「Lean FIRE」タイプであればサラリーマンでも十数年くらい時間を掛けてれば比較的実現できるのではないかと思います。
AI(人工知能)が本格化することで現在の職業形態が大きく変化し、働き方そのものの価値観も変わってきて「働かなくても良い未来」を現実味を帯びています。 若いうちから準備していくことも良いことだと思います。