タワーマンションは不動産業界関係者は買わない
東京都心部にはいくつものタワーマンション(タワマン)が立ち並びます。いまだに新聞の折り込みチラシにはタワーマンションのチラシか中古マンションのどちらかです。
売れるからという点と利益率も良いという点ではタワーマンションは業界的には主力商品なのでしょう。
不動産業界の人はこのタワーマンションを販売しているのにも関わらず自ら購入しないという話を聞きます。
豪華絢爛な設備や湾岸や人気路線の駅近く立地なので資産価値が高いと思われますが、デベロッパーや不動産販売会社の方は進んで購入することはありません。
聞いた話ですが憧れのタワマンを購入し自慢した人に不動産関係者の友人から「すぐに売却した方がいい」と促したようです。それだけ資産価値が難しい不動産なのかもしれません。
回収できない修繕積立金
以前から積立修繕費の高さは噂がされていました。マンションでは12年周期と言われるスパンで大規模修繕を行います。まだこの経験値の少ないマンションはどれだけの価格になるか不透明です。
さらにここにきて問題が、外国人が投資目的で購入したタワーマンションです。外国の方が何かしらの理由をつけて修繕積立金を払わないケースも出ているようです。
もしそのような修繕積立金が払わない状況になれば、真面目に支払っている住民が不足分をカバーする可能性も高くなります。
その証拠にタワマンの理事会や総会はかなりの確率で荒れるようです。
修繕積立金が支払われないと管理組合が強気になれば法的措置でる可能性もあります。そうなると差し押さえて最終的には売り払うことになるかもしれません。
すぐにまともな買い手が出ればいいですが、同じような投資目的の購入者であれば同じような状況に陥るかもしれません。
風をまとも受けるタワーマンション
タワマンは景気がよく見えます。モデルルームでも「20階から見える風景」的な内容で演出しています。実際に住んでいる人に聞くと眺めは本当に良かったと言います。
しかしタワマンは周囲に遮るものがないので、風をまともに受けます。怖くて窓を開けたりベランダに出れないという話も聞きます。
また海に近いタワマンでは、潮風が吹き込むので確実にサビますので汚れとの闘いにもなるということです。
エレベータ渋滞や宅配サービスの受取に時間がかかる、住民とのコミュニティが大変などで生活に不便を感じることも少なくないようです。
そういう点など総合的に勘案して不動産関係者は購入しないのかもしれません。
戸建や低層マンションに人気が集まる
タワマンの居心地が良ければ問題ありません。しかし想像以上に不便を感じた人は数年で低層マンションや戸建住宅に引っ越す人が多いようです。
同じ土地でもタワマンの方が多くの住居数を建築できるので、デベロッパーからすれば売上、利益率を考えれば低層マンションを建築するよりかは効率的ですので販売し続けます。
その分低層マンションの新規での供給が減れば、中古マンション市場での需要が高まり、結果資産価値が上がっているのかもしれません。戸建住宅も同様です。
タワマンは資産価値が高いという点では、現時点ではあると思いますが数年後、数十年後まで続くは定かではないと思います。
バブル期のリゾートマンションや郊外のニュータウン団地ほどの空洞化はないかと思っていますが、「売却しても大丈夫」「貸しても入居者が入る」という予測を立てた上での購入計画は必須かと思います。