なぜ不動産投資を始めたのか。そもそも不動産投資を始める以前に「投資」自体に積極的ではありませんでした。在職していたIT系会社で株を保持していたくらいで、株チャートを日夜見るようなほどまでは熱中しませんでした。
ITバブル崩壊もあり株価は二束三文の状態になってほとんど放置していました。会社を退職したころに株価が再び上昇したのですべてを売り払いました。その際に少しばかりの売買益が出たので、当時は自宅を購入する頭金に充てられると考えていました。
自宅も頭金を全額入れることを前提に、年収から試算(5~6倍)した上限ギリギリの予算で物件を探していました。幸か不幸か自宅に見合うものが中々出てこず、しばらくは賃貸暮らしが続きました。
一度ある人気物件の抽選販売に申込をしたのですが見事に落選、しかし今思うと当選していたら、頭金としてあった現金を住居に入れることになり、不動産投資は始められなかったと思います。
たった一度の人生だから、やれる経験はしておこう
7年前にある人生の機転となる出来事があり「たった一度の人生だから、やれる経験はしておこう」と急に思い立ったのです。何気なく書店で本を選んでいたときに、普段は滅多に入らない「株式投資」関連の書棚を移動していました。
その棚の隅に「不動産投資」というスペースがありました。タイトルを見ると「サラリーマン大家」「不労所得」といった内容ですべてが初めて見る言葉ばかりでした。
さかのぼることITバブル期に「金持ち父さん貧乏父さん」を友人の勧めで読んだことはありました。「不動産投資」という内容に当時の自分とはかけ離れた内容でしたので、興味もわかずに読んでいましたが、7年前に見た本は株式のように単純に「投資で儲けてお金を得る」という点でなく「資産形成」「税金対策」「相続」という観点で書かれていました。
自分の年齢を考えると「現在のこと」「将来的なこと」を考えると共感できる部分が多く、興味深く入ることができ、その数冊連続で不動産関連の本を読み漁りました。
当時は知り合いでも不動産投資をしている人もおらず、もっぱら本や不動産投資家のブログを見ては知識得て、投資実現するためのイメージを描く日々でした。
やはりレバレッジの考えは斬新でサラリーマンは住居購入のためにローンを組むということしか知識がなかったので、まさか「不動産事業」でも融資を受けることができるとは思ってもいませんでした。いつかは小さくでもいいので自分の会社を持ちたいという気持ちがありました。
まずは不動産投資という形で事業を持つのも悪くないと思ったのと「たった一度の人生だから、やれる経験はしておこう」という思いから、読み始めて2か月後には区分所有の不動産セミナーに参加して、その1か月後には2戸の中古ワンルームマンションの契約をしていました。
その時に資金は、自宅を購入する予定だった頭金から充てることになったのです。不動産投資をして収支が良かったのか悪かったのかは、この先を見てみないとわからないですが、株式投資とは異なり、興味を持って考える対象が増えたことは良かったと思います。
まだ法人化はしていないので、夢が実現したとは言い切れませんが、少なくとも普通のサラリーマンでは知ることのない「融資に関する銀行とのお付き合い」や「青色申告の方法」「不動産売買の知識」など専門的な経験を積むことができたことは良い経験になっています。