信販会社アプラスの親会社のアプラスフィナンシャルは、住宅ローン最大手のアルヒと提携して手がけた投資用マンション向けローンで審査書類が改ざんされていた問題に対して、来月3月末をめどに調査結果を公表すると発表しました。
やはり改ざんの事実は認めざるを得ない状況になっているのかと思われます。調査自体は外部の弁護士らと重点的に行うとしています。
対象となる改ざんは一部の不動産販売会社と行ったとされています。不動産投資業界の実態を知るためには、こちらの不動産販売会社の名前も明らかに公開してほしいと思います。
不正融資対象の案件は270件
アプラス側で特別調査委員会をすでに先月末の1月31日に立ち上げたとされています。
- 弁護士3人
- アプラスフィナンシャルなどの監査役2人
特別調査委員会は改ざんの有無などの事実認定を行うことと同時に「どうしてこのようなことが起こったのか」の原因究明も実施います。
アプラスフィナンシャル側は「これまでの調査では、審査書類の改ざんに当社グループの役職員の関与が認められた案件はない」としています。
またしても現場主導で行ったとしていますが不動産業界の不正は発覚当初は経営層は知らないと主張しますが、最終的には関与していたことがよくあります。アプラスフィナンシャルも東証一部企業です。間違った報告をすると信用の失墜に陥りかねません。
アプラスは新生銀行グループ
アプラスは、元々株式会社大信販という会社名でした。1992年には株式会社アプラスへ社名変更しています。
2004年にはUFJ銀行(旧:三和銀行)の系列でしたが同年9月に新生銀行の子会社となり、同行グループのリテール・ノンバンクの中核企業になっています。
今回、調査内容を発表したアプラスフィナンシャルはアプラスグループの事業持株会社です。傘下のグループ会社の管理運営・信用保証事業のうち住宅ローン業務 などの事業を行っています。
アルヒと提携した投資用ローンは約1万2千件
アルヒと提携した投資用ローンはこれまでに約1万2千件を実行しているとされています。そのうちの270件なので、2%が対象となっていますが果たして本当にそうでしょうか。
アプラスのような与信審査が緩い会社があったからこそ、不動産投資ができたという事実があります。しかし不動産投資で始めることができたとしても続けられるような返済計画での条件でなければいけません。
今回の不正融資はあきらかに、購入者に不利な条件の投資用ワンルームマンションの販売になっていますので、不動産投資として成立していません。
アルヒ自体は自社の調査では同社やフランチャイズ店などによる書類改ざんなどは確認されていないとしています。アルヒはタレント「中村アン」さんを起用したテレビCMを現在も放映しています。潔白である自信があるのかもしれません。
アプラスフィナンシャルによる3月末の公表で不正融資状況が明らかになること期待したいと思います。