コロナ不況でもファクタリング利用は要注意

ファクタリングには要注意

新型コロナウイルスの感染拡大によって経済の停滞が長期化しそうです。影響が大きいとされる中小企業は日毎に資金繰りが厳しくなっています。政府も感染予防と同じくらい重要な経済支援対策を打ち出しています。

 

その中でも政府が強く押し出しているのが「持続化給付金」です。中小企業に200万円、個人事業者に100万円の現金給付を行うという過去に例をみない施策です。

 

しかしまだ申込する仕組みもできておらず、実際の受付開始は5月中になるようなスケジュールのようです。手持ちの現金が少ない中小企業にとっては、そこまで時間が待てないというのが現状のようです。

融資の承諾は6割程度

今回のコロナ不況による業績悪化が懸念される中小企業への融資は急ピッチで進んでいます。

 

欧州も同様の経済対策を進めていますが日本と違ってスピード感が違います。スイスは無利子・無審査で早ければ当日振り込みを行う素早さです。現場の状況をわかっているのかスピード重視の国が目立ちます。

 

日本に限っては、融資の窓口となる自治体や金融機関で連日混雑をしているようですが、実際に融資を受けるまでに1か月以上かかることが多く、融資の承諾も6割程度とのことです。

 

この状況がさらに長期化すると審査する件数も増えていく一方なので、融資を受けるまでにはさらに伸びる可能性があります。中小企業や個人事業主にとって耐えきれる状況なのか難しい局面に来ています。

資金獲得に急増しているファクタリング

政府系の融資が厳しい中、新たにファクタリングのサービスを始める金融会社が増えています。これらの会社には当座の運転資金を求める申し込みが殺到しているとのことです。

ファクタリングとは

ファクタリング
中小企業などが取引先から代金を受け取る権利(売掛債権)を業者に譲渡する代わりに、債権の額面から手数料を差し引いた現金を早く受け取ることができる金融サービスです。

ファクタリングは契約面で注意しないといけない点がたくさんあります。ファクタリングを行う際には公的手続が必要となるケースがあります。

 

条件によっては登記手続、債権譲渡通知、公正証書といった法律文書の用意しないといけません。適正な
手続きであればもちろん問題ありません。

「手数料」が記載されている契約書には注意

しかしこのような状況下では、悪質なファクタリング会社も存在しているようです。特に注意しなくてはいけないのは不必要な名目で手数料を上乗されている場合があります。

 

これはファクタリングは契約上、「債権の譲渡」になっているため、金銭の貸し借りにはなっていません。つまり原則として貸金業法や利息制限法などの規制の対象になっていないのです。

 

この原則に従うと「貸金業」などの登録がなくても参入できます。インターネット上では、すでに「売掛金を即日現金化」などと勧誘する業者が増えていると言われています。

 

契約を確認するときは必ず明細を確認し、分からない項目があった場合には、理解できるまで確認する必要があります。

ファクタリングの契約書で注意すべき項目

ファクタリングの契約は一般的な金銭の貸し借りの契約より複雑にできていますので、記載されていることを確認しないと大きな損失を受ける可能性があるので注意しないといけません。

 

下記の項目のなかで「手数料」「担保の有無」は当然確認するべきことですし、「契約期間」「解約方法」が不利な条件になっていないか把握しておかなくてはいけません。

注意すべき項目
  • 償還請求権
  • 債権譲渡登記
  • ファクタリングの手数料
  • 担保の取得の有無
  • 損害賠償、違約金
  • ファクタリングの契約期間と解約方法

ファクタリングは最終手段

中小企業の中では「金融機関からは融資を受けられず、会社の運転資金を確保するにはファクタリングしかなかった」というケースも出ているようです。

 

一度飛びついてしまうと資金繰りが自転車操業のようになり、抜け出せなくなり、企業のためにもならないとも言われており、融資の最終手段として考えたほうが良さそうです。

 

政府系の融資が円滑にスピード感を持って対応できれば良いのですが、現在の融資審査と並行して改善していくのは、すでに至難な状況かもしれません。

あわせて読みたい
不動産売却が難しくなる 非公開: コロナ不況で「不動産売却」が難しくなってくる コロナ不況で不動産投資ができる条件とは コロナ不況でも「不動産投資」ができる条件とは