今の不動産投資は、従来の中古物件(アパートやマンション、戸建て)よりも新築関係に注目が集まっているようです。融資も出やすい環境にあるのか、新築ワンルームマンションと同じように初心者に購入できる環境が整いつつあるのかもしれません。
一方で、地方を中心とした中古RCマンション購入の流れもエリアによっては、まだできるような情報もあります。しかし多くのキャッシュフロー(家賃収入から返済額を引いた金額)を得るには、億単位の投資が必要です。
億単位で融資を受けることが良いことなのか
先日もある成功事例的なサラリーマン不動産投資家の紹介記事を拝見しました。
- 都内大手企業勤務
- 45歳
- 不動産開始時期:2018年
- 所有物件:6棟70部屋
- 家賃年収:約5000万円
- 投資金額:約6億円
かなり多額の融資を受けて短期間で不動産物件を購入した事例です。一時期の不動産投資バブルに多くみられたサラリーマンの典型的な内容です。
しかし未だにこのような購入ができていることに驚きます。初心者であれば「家賃年収:約5000万円」に注目するかもしれません。
実際に不動産投資をしている立場からすれば「投資金額:約6億円」のほうが驚異的な数字に見えます。短期間でここまで融資を受けることができたのは、元々資金(頭金)が数千万円ないと実現できません。
それでも達成することができたのは、少しグレーな方法で不動産を購入をしている可能性もあります。
億単位で融資を受けることができることは、その人の属性評価でもありますが、必要以上に借りすぎるとリスクになります。
目標設定を見誤るとリスクしかない
この投資をされている方は、最初から「家賃年収:5000万円」をめざしていたのでしょうか。
家賃年収が5,000万円ともなればローンの返済や管理費、固定資産税などの税金なども引いても、サラリーマン年収よりも多いと思います。最初からサラリーマンのリタイアを目指していたのでしょうか。
少なくとも「不動産投資」を初めて耳にしたときは、副収入的にお金が増えれば良いと思っていたのではないかと思います。
「不動産投資」を独学で勉強し、調べていくうちにサラリーマンをリタイア(引退)した人もいるような話に触れたのだと思います。
そこで本来の「副収入」から「リタイア」にシフトを切ることで、物件購入に意欲が沸き一気に舵を切ったのだと思います。
「不動産投資」の目標を変えることは必ずしも間違いではないです。
しかし「副収入」を達成してからステップアップする必要があったのかを検証するべきだったと思います。
不動産投資で達成したい目標は何なのか
「不動産投資」でもそのほかの投資でも共通していえることは、継続するためには「小さな成功の積み重ね」だと思います。
これを見誤って「家賃収入額」や「資産規模」などに意識し、とてつもなく高いゴールを作ってしまうことになります。
この目標に賛同する人が周囲にできてしまうと、一度上げた目標を下げにくい状態になります。そうなると惰性で不動産投資の高い山を登り続けてしまうのです。
もし仮に運よく頂点に登れば、さらに高い山を求めてしまい収拾が付かなくなります。
今、不動産投資で確実に問題とされるのは「相続」です。
ある意味「出口戦略」になると思いますが「売却できない」「相続できない」問題を取り組むには不必要に増やしてしまった不動産をどうしていくか、登りきった山を安全に下山する方法を検討する 必要があると思います。