家賃3万円の中古アパート経営は難しいのか

中古アパート

地方中古アパートの利回りは高い

不動産投資の主力的な商品として中古木造アパートがあります。都内の中古アパートであれば表面利回りが4~5%のところ、地方に行けば8〜9%の物件が販売されています。

 

頭金を少なく購入できるとして中古アパートは投資対象の一つになります。実際に本を出しているような専業の不動産投資家の方で、最初は地方の中古アパートから始めたという話をよく聞きます。

 

地方の10戸程度のアパートを購入しノンバンクや政府系金融機関で融資を受けてリフォームなどをしながら満室経営をする手法です。本業忙しいサラリーマンであれば中々大変な方法かもしれません。

 

不動産会社から中古アパートとして提案を何度か受けたことがありますが、北関東や静岡県あたりに集中していました。

 

土地も広いので10戸や20戸といった戸数が多く、家賃が3〜4万円前後でしたので満室になればかなりのキャッシュフローが期待できます。

 

しかしながら家賃が3〜4万円前後という価格帯が非常に難しく、入居者が安定しないという話も聞きます。この価格帯は難しいのは何故でしょうか。

 

入居者が入れ替わりやすい

家賃が手ごろな3万〜4万円の中古アパートの一つの性質として入居者が入れ替わりやすいデメリットがあります。

 

つまり退去率が高い物件なのです。これはアパート経営では一番避けるべき状況なのです。最優先に解決すべき課題です。

 

家賃が安いので入居者からすれば、初期費用も少なく入居ができます。最近では敷金・礼金が取らない物件も多いので簡単に入居ができるのでニーズがあると思います。

 

同じ地域であれば競合アパートも同じ価格帯で落ち着いていると思います。その分、入退去が手軽にできる状況なのだと思います。少しで便利なアパートがあれば引越ししてしまう環境なのかもしれません。

 

家賃に対してリフォーム費用が掛かる

不動産収入(家賃)が低ければ低いほど、リフォームに割く費用の割合は高くなります。特に入退去が激しいとその分のリフォーム費用がかかります。

 

家賃が安いからといってリフォーム代が安くなるわけではありません。多少地域差はあると思いますが、クロス代はおそらく全国でほぼ同じ料金なので、都内より極端に安価でできるとは思えません。

 

中古アパートの場合は、クロスの張替えだけでなく設備関係が古くなっている場合も多いので、思わぬ出費もでてきます。家賃の半年分もリフォーム代がかかってしまっては想定のキャッシュフローが実現できない可能性があります。

 

入居者の属性が悪い場合もある

家賃の安さで住居選びをする人は、それだけ収入面で問題やトラブルを抱えている人が多いという可能性があります。

 

経済的余裕がないというのならまだしも、不正に生活保護費を受給するような方や、ニートやフリーター、出稼ぎ外国人など様々な方が入る可能性があります。

 

特に面倒なのは入居者同士でトラブルを起こしてしまう場合です。地方アパートであれば都内のサラリーマンは対応することもできず、管理会社にお任せするしかありません。

 

ゴミの分別や騒音、家賃の滞納などのリスクもあることを想定しておかないといけません。当初の8〜9%の利回りでも実際には3〜4%程度だったという可能性もあります。

 

中古アパートは「値段も安い」「戸数が多い」「土地値物件」というメリットがありますが実際の手間と残るお金に関しては十分に見積っておかないといけないかもしれません。