不動産投資「買いたい病」で失敗していないか

買いたい病

不動産と買い続けたくなる理由

不動産投資をするには、当然お金を生み出す不動産(物件)を購入しなくては行けません。物件を購入することで初めて賃貸収入を得られるのです。しかしこの購入に対して「物件」をとりあえず欲しいという依存症になっていないでしょうか。

 

不動産物件を購入することが目的となっていたとしたら、失敗している可能性が高くなるかもしれませんので注意が必要です。少し前の不動産融資が潤沢にでる時であれば、できるだけ購入したいという気持ちもわからなくもありません。

 

初心者で初めて物件を購入したあとは、すぐに次の物件が欲しくなるのです。契約含めて意外と簡単に取引が成立すると特に思います。また常に物件情報をインターネットなどでアンテナを張っている人であったとしてもこの状況に陥ります。それが「買いたい病」です。

 

買いたい病は自分では気がつかない

買いたい病は、不動産を購入したいという「依存症」とも言えます。買うことによって満たされる感覚を身につけてしまったいるのです。

 

同じ依存症である「お酒」「タバコ」と同じく、自分自身で気づくことができない場合が多いです。また他人が指摘をしてもに本人は依存を認めようとしない傾向になるので厄介です。

 

当然不動産会社は、気が付いても売り込んできますので意味がありません。家族や信頼できる身内から指摘を受けても変わらない場合もあります。そのような状況の中ではどのような言動になるのでしょうか。

 

コントロールができなくなる

「買いたい病」になるとまず自制心が働きません。不動産は通常であれば手持ちのお金に見合った金額の範囲内であれば問題ありません。

 

しかし不動産投資は、銀行からの融資を得ることができるというスキームを持っています。不動産の賃貸収入で収支が成立してれば良いですが、経営に失敗し、他の収入からの持ち出しが発生して家計に影響を及ぼすとなると投資どころではありません。

 

ギャンブルも同じですが借金をしてまで続けるのはNGです。融資があるものの限界または限界を超えるまで借金をして購入するものではありません。

 

限界を超えて購入する

不動産で融資を受ける時は緊張します。返済できるのか、空室にならないかと色々と不安が浮かぶのが通常です。しかし数百万円の融資で区分マンションを購入することができるのであれば、次はもっと行けると思うようになります。

 

購入できるという耐久性がつくのです。従来の不動産規模では満たされなくなり、高いキャッシュフローや一等地での不動産などを求めるようになります。

 

競争心が出てくる

自覚症状がないので無理に購入をやめようとすると何らかの症状が出ます。特に周囲の不動産投資家が「良い物件」が購入できたなどと話を聞くと居てもたってもいられなくなります。

 

「自分ならもっと良い物件を帰る」「金利を抑えることができる」などの比較をし始めると何か目的なのかわからなくなります。こういった「買わずにいられない」症状が出たら要注意です。

 

不動産投資が生活の中心になっている

サラリーマンであれば本業があるのでまだ比較的に症状が出ないと思いますが、セミリタイアをして専業の投資家になった方は、完全に不動産が中心の生活になっていると思います。

 

不動産投資は、購入前と後がほとんど変わらないことがベストだと思います。しかし専業になることによって四六時中、不動産投資しか考えない生活になっていれば危険です。

 

セミリタイアは余裕がある生活が基本なのですが、余裕なく常にアンテナを広げて、購入できるかもわからない物件情報を追いかけているとすれば、悪循環に陥っていると思われます。

 

買いたい病は治しておくべき

何のために不動産を購入して投資を始めたのかを改めて見直すべきです。「資産形成のため」「不労所得のため」であるとしても一定の規模というものが存在していると思います。

 

数十億円の資産を持ちたいという願望があるものの、それにどれだけの時間と労力が必要かということと、その数十億円を持つことによって何が生み出されるのかは冷静になるべきだと思います。

 

不動産は「縁があれば買う」ぐらいのスタンスでちょうど良いと思います。年齢で購入時期を設定しているのであれば、なおさら「縁があれば買う」と思っていた方が精神的にも楽かと思います。不動産投資は周囲と競争するための投資ではないからです。