予定よりも早く緊急事態宣言が全国的に解除になりました。
すでに先週末より解除の予告はメディアが報道していましたので、解除になったとしてもそれほどのインパクトがありません。
国民の間では不安が払拭されていない中で、宣言を解除したところで新型コロナウイルス前の生活には戻れないという心理が働いている思います。
明日の午前0時から開放されてもいきなり「お祭り」ムードには到底なりえません。
解除されても人は動かない
人混みが多く、活気のある街並みになるのは相当先なのではないかと思います。
一足早く、緊急事態宣言が解除された大阪の週末の様子が映像で流れましたが、多くの人が外出しているような状況ではありません。
飲食店がひしめき合う商店街でも、今一つお客さんの入りがないように感じます。
この風景が宣言解除直後の週末なのでまだ判断できませんが、まだ外に出ることが不安な人が多いのだと思います。
宣言が解除され、お店の営業時間が遅くなったとしても、そう簡単には人は戻ってこない感じがします。
特に首都圏はテレワークを今まで以上に推奨されます。政府自ら後押しをするような動きです。
そうなるとオフィス街と呼ばれたエリアでの人も少なくなり、以前のような飲食店利用は減少していきます。
政府は「給付金」だけではいけない
政府や各自治体、金融機関などは矢継ぎ早に「事業者」を支援を展開しています。
ざっと挙げただけでも以下のような支援策が用意されています。
- 事業者向け給付金制度
- 感染拡大防止協力金(東京都)
- 雇用の維持(雇用調整助成金)
- 資金繰り対策
- 民間の無利子・無担保融資
- 保証制度
- 危機対応融資
- 税制措置
- 中小企業 融資あっせん制度(東京23区)
どの事業者も確実に早く入金されるのであればという思いから、多くの申請をしていると思います。
しかし申請の面倒さと時間がかかることから恩恵を受けれた事業者は少ないと思います。
「お金」がないと家賃や人件費が払えずお店は継続できないのは確かです。
しかしもっとも重要なのは、人が安心してお店を利用できるようになることです。
政府や自治体も「支援もしたし、緩和したので、あとはよろしく」という訳にはいかないです。
テナント系不動産の難しさ
宣言解除と同時に流れたニュースの中では、飲食店が閉店する内容の映像が流れていました。
解除により客が戻ってくる期待があるものの、早々に見切りをつけて辞めていく店が多いのが現実なのかもしれません。
期待されていた事業者向けの「特別家賃支援給付金」もまだ成立には時間がかかりそうで、早くて6月中旬との予定です。
しかし「特別家賃支援給付金」を得たところで、お客様が戻って来なければ意味がありません。
飲食店や小売店などの経営は長期的に困難な状況になるのが予想されます。
テナント系不動産を所有しているオーナーからすれば安心ができません。
入居していた飲食店や小売店が家賃の支払いができないとなれば退去するしかありません。
そうなったとしてもすぐに入居者が入る状況ではないため、貸し出す用途を変えるなど早々に手を打つ必要が出てきます。
テナント系不動産を所有しているオーナーとしては、日々判断をしなければいけないことがしばらくは続きそうです。