自宅マンションでも投資用アパートでも不動産を購入するには時間がかかります。本や洋服のように手軽に買うことができません。
人生の中で不動産の次に購入金額が高いとされる「車」でもインターネットで資料を請求して、ディーラーに足繁く通って試乗して、ようやく購入に踏み切れるのです。
不動産購入には時間がかかる
不動産を購入するには時間がかかります。しかも計画的に購入準備をする必要があります。
たまたま時間があってマンションのモデルルームに入って、勢いで購入する人も中にはいるようですが、お勧めしません。
- 資金計画を立てる
- 購入物件(エリア)を決める
- 不動産会社を探す
- 契約をする(頭金を支払う
- ローンを申し込みする
- 引き渡し(残金を支払う)
- 所有権の登記手続きをする
ざっと考えただけでも賃貸マンションの契約ように1〜2週間で決めれるものではありません。
特に資金計画を考えずにエリアから考えてしまうと、後々ローン返済で苦しむことにもなりかねないので注意が必要です。
アパートはとりあえず購入してはいけない
自宅であれば家族のことも考えて長期間住むことが前提になります。商業施設、教育施設、医療施設などを勘案して自宅購入を検討します。
コロナ禍により今後の働き方として「転勤」なども減少していくことになるでしょう。テレワークともなれば、人生の大半が自宅で過ごすことになる人も増えてくるでしょう。
しかしアパート一棟や区分マンションなどの投資用不動産は購入目的が考え方が異なります。
投資用ということで「家賃収入」だけでなく「売却収入」という選択肢も出てくるからです。
不動産投資は「売却」して初めて利益が確定するとも言われているので、売却前提で購入することも考えられます。
不動産会社からも「投資での収支が合わなければ売却すれば良いのです」といった内容で提案をしてきます。
不動産投資をする方も少しでも早く始めた方が良いと思ってしまえば、多少のデメリットのある物件でも「取りあえず購入しておこう」という判断になってしまいます。
買い替えが全て成功するとは限らない
投資用アパートなどが古くなると資産の入れ替えとして「買い替え」を検討することになります。
しかし実際には「売却」するの方が「購入」するより難易度が上がります。
相続した不動産を処分同然で売却するのであれば多少売却しても問題ありません。
しかし投資用不動産となるアパート一棟や区分マンションなどは利益確定のために購入時より高く売ることが前提になります。
そうなれば購入した当時よりも築年数が経っているので、条件が悪くなった状態でも購入できる人が対象となるのです。
この考えが普通であれば、中古の投資用アパート、マンションは「ババ抜き」と同じ要領になります。
限られた対象者とのマッチングがない限りは、良い条件での売却は成立しません。
想像以上にアパートやマンションなどの投資用不動産の「買い替え」は難しいのだと思います。
サラリーマンでも数棟のアパートやマンションを所有している人がいます。
しかし「買い替え」が全て成功するとは限りません。資産の組み替えなどで維持していくのには難易度が高いのです。
長期保有しないアパートを購入してはいけない
私も区分マンションを売却した経験があります。区分マンションはアパート一棟と比べても流通しやすいとのことでしたが、それでも売却を決断してから半年近くかかりました。
収支は今までの家賃収入と合わせて、譲渡所得の税金も含めて何とか黒字になったくらいです。
ある有名な不動産投資会社のメールマガジンを定期的に読んでいますが、基本は10年後の売却前提での物件案内です。
コロナ禍で1年後も不透明な状況の中で、10年後の出口戦略として売却価格を説明されても納得はできない話です。
長期保有に耐えられるアパートやマンションを購入することが大前提になると思います。
新築アパートを購入して築古になろうとしても銀行からの返済が無事に完了すれば、そこからは果実(家賃収入)を受け取るだけの状態で一番美味しい状況になるのです。
不動産投資は長期的に行うことが基本です。5年や10年で結果を求めるものではありません。