貸会議室大手のティーケーピー(TKP)は10月からビル1棟全てをレンタルオフィスやコワーキングスペースとして貸し出す事業を本格展開すると発表しました。
コロナ禍でテレワークが一般化しつつある中で、貸し会議室の需要も変化が出てきたということだと思います。
新たな働き方の支援するサービスとなるか注目されるところです。
貸会議室大手のティーケーピーとは
貸会議室大手のティーケーピーは、東京都新宿区に本社を置く、貸会議室を運営・管理する企業で、直営による貸会議室運営では国内最大手の企業です。
2005年に起業した会社です。貸し会議室という業態に新たな仕組みを取り入れたことで業績が拡大しました。
- 取り壊し間近なビルや遊休不動産を探す
- 格安の家賃で借りる
- 時間単位にしてインターネットで提供
その他の事業として、ホテル&リゾート事業、料飲・ケータリング事業、イベント空間プロデュース事業、コールセンター事業など多角化経営をしています。
また最近では、アパホテルと組みホテルのフランチャイズにも取り組みを始めて話題となりました。
1棟まるごと貸しオフィスとは
貸し会議室のビジネススキームであれば、既存ビルの空いているスペースを借り上げて転用してきていました。
今回の新たな新築ビルをまるごと借り上げ、さらに家賃を抑えるということで効率化を図ります。
すでに福岡市の博多駅前1棟のビルを借り上げ、レンタルオフィスやコワーキングスペースとして貸し出す事業を展開しています。
ブランド名は「Spaces」です。
8階建ての新築ビルには、下記のようなオフィススペースがあり、福岡のビジネススタイルに新たな展開を提供しています。
- 貸し会議室(5室)
- 占有デスク(34台)
- プライベートオフィス(91室)
コワーキングメンバーシップという料金体系では、1名あたり18,800円から利用できます。
1名あたり、月額 | ¥ 44300 |
1名あたり、月5日間 | ¥ 18800 |
1名あたり、月10日間 | ¥ 28200 |
ビル所有のオーナーにもメリット
今回展開するのは主要な駅からも近い、アクセスに便利なオフィスビルです。
ティーケーピーとしては、1棟全てを借り上げる条件で土地オーナーに新たにビルを建ててもらうことで、コストを抑えながらスペースを広げられると判断し、展開したと発表しています。
この事業が安定していくモデルとなれば、駅近いオフィスビルでも展開するかもしれません。
そうなればオフィスの空室で悩んでいるビル所有オーナーからしても、丸ごと1棟を借り上げてもらえるのは良い条件なってくるのではないかと思います。
不動産投資としての「貸会議室」
貸し会議室は不動産投資して一時期人気が出ていました。
駅から近い、設備が充実しているなど住居系と比較しても対象物件の絶対数が少ない投資です。
コロナ禍で三密を避けるような傾向の中では「貸会議室」は逆風が吹いている状態でした。
今回の業界最大手であるティーケーピーによる新たな業態変化は注目するべきところかもしれません。