中国でのインターネット利用よるビジネスは年々増え続けています。
ネットショッピングに限らず最近では「不動産の競売」が急増しているとのことです。
2020年の出品は49万件を超える急成長ぶりです。
「淘宝網(タオバオ)」のシェアが高い
2015年の出品は10万件に満たなかった市場が一気に5倍への膨らんだのです。
その中でもサービスシェアが高いのは「淘宝網(タオバオ)」です。
タオバオはインターネットショッピング分野でも最大手です。
タオバオは2012年から裁判所と競売物件の出品で提携を開始しました。
サービス内では不動産だけでなく自動車、破綻した企業の生産設備や在庫、商標権までが出品されています。
中国は不動産投機を抑制した動き
不動産バブルとも言われている中国では、大都市を中心に「投機」としての不動産購入を抑制しています。
大都市の多くでは、不動産購入に条件を付けているのです。
一定期間の社会保険料の納付が必要であったり、1世帯2物件までしか買えなかったりと抑制をしています。
しかし「競売」による不動産購入ではそのような制限がないのです。
住宅の購入制限がなく、しかも市場価格より2~3割安い物件が出品されているため、富裕層を中心に人気が高まっています。
3400の裁判所との連携
中国では3400の裁判所が存在しています。
その裁判所が競売サイトが連結しているため、全体の取り扱いの9割近い競売物件にアクセスすることができるというのです。
「人気物件を安く仕入れて資産形成ができる」として取引回数が増えています。
落札後に賃貸すれば高利回りを期待できます。
またタイミングを見て売却すれば売却益を得ることもできるのです。
大都市に住む億万長者には、取得した複数の事業用不動産を運用しながら、豪華マンションで悠々自適に暮らしている人が多いとも言われています。
競売物件が増えることの理由
一方で、競売物件が増えているということは、それだけ経済的に破綻している人が増えているということを意味しています。
不動産が異常に高騰し続けた中国では、不動産投資としても利回りが低い状況です。
先ほどのような悠々自適な生活をするためには、相当数の物件を購入しなくてはいけません。
実現するためには借入金を増やしていくことになります。
そうなれば更なる破綻リスクを作りかねません。
不動産を中心に好循環にお金が回っていければ成長は一気に加速していきます。
しかし破綻がさらなる破綻者を生むような悪循環になれば、市場は急速に冷え込んでいきます。
不動産購入がしやすくなったとはいえ、限度と節度があると考えるべきだと思います。