「買ってはいけない収益物件の見分け方」からわかる中古物件のリスク

「買ってはいけない 収益物件の見分け方」からわかる中古物件のリスク

中古アパート、マンション販売で有名な「武蔵コーポレーション株式会社」の現役、建築部 部長(一級建築士)が書いた「買ってはいけない 収益物件の見分け方」は非常に参考になる本です。

不動産投資を始める人でも、特に「中古アパート、マンション」で家賃収入を得たい人は読んでおくべき本だと思います。

著者が在籍する「武蔵コーポレーション」とは

著者の所属する会社「武蔵コーポレーション株式会社」は、投資用不動産購入から賃貸管理まで行う会社です。

もともと富裕層の方々を対象に始めた会社でしたが、サラリーマンによる不動産投資ブームもあり幅広い層に対しての資産形成及び資産保全を支援する会社となりました。

管理会社としても独自のプロパティマネジメントを展開しており、首都圏を中心に管理戸数が約16,000戸、取扱棟数も1,500棟と多数の物件を運用

また中古物件中心ではありますが、年間平均入居率97%以上という実績を維持している会社です。

特徴としてはレインズなど一般に流通していない独自の物件のみを紹介していることです。

自社で仕入れをして物件再生を行っている会社としても有名で、中古物件で保証付き認証制度「ReBreath」の販売を開始しています。

黒い壁面で赤いアクセントカラーの建物が特徴的な外観デザインは、他の不動産投資家も参考にしているほどです。

中古物件専門会社の建築部長の書くリアル

中古物件を取り扱う専門会社の建築部長が書く本なので、宣伝目的と内容かと思っていましたが、内容はそうではありません。

中古物件を見ておかなくてはいけないチェックポイントが余すことなく書かれています。

違法物件の現実が書かれている

投資用の不動産物件には「違法物件」が存在することが書かれています。

一般の人では知ることのできない内容で、専門家の指摘で初めてわかるようなものばかりです。

本当にかかるコストが書かれている

実際に不備のある物件の改修方法に対しての具体的なコスト感が書かれています。

購入時の不動産会社からは収益物件にかかるコストは「管理費」「広告費」「固定資産税」などを説明を受けます。

しかし、改修方法によっては相当な金額のコストがかかることがわかります。

コストを抑えための工夫が書かれている

家賃収入を得るための収益物件なので、できる限りコストを抑える方法も書かれています。

業者に進められるような不必要な改修工事などへのチェックポイントなど、対応することでコストが抑えられるのです。

中古物件を購入するリスク

一時期、地方の中古一棟マンションをフルローンで購入することが、不動産投資を成功する近道と言われていました。

しかしこの本を読むことで、家賃収入以上にかかる経費の現実をあらためて知ることになりました。

中古一棟マンションは「エレベータがあるからダメ」という話は聞きますが、それ以外にも考慮すべき点がたくさんありすぎるのです。

中古物件を買い続けた人はどうなった

現実に今その手法を推奨する不動産会社や不動産投資家は出てきていません。

金融機関が融資しないという現実もあるのかもしれませんが、継続するためのリスクが高すぎたのではないかと思います。

短期間で数億円の中古一棟マンションを購入した人は今どうなっているのでしょうか。

有名不動産投資家が今でも続ける理由には、キャッシュフローが回っていない可能性があります。

補修工事などで思わぬ経費がかかることから、現金を増やすために頭金を抑えた中古一棟マンションを購入し続けてるのかもしれません。

家賃収入が安定していて、生活でも極端に贅沢をしなければ購入する必要がありません。

自転車操業のような状態に陥っている可能性があります。

中古一棟マンションは永遠のババ抜き

以前、不動産会社の営業担当から「中古一棟マンションは永遠のババ抜き」と言われたことがあります。

当時は「数百万円の家賃が入る」から良いのではないかと思っていました。

しかし実際には中古一棟マンションを維持するためにはそれなりのコストがかかることがわかります。

新築アパートが必ずしも正解とは言い切れません。

購入する人の不動産投資へのスタンスによって変わってきます。

ただし不動産投資は、目先のキャッシュフローに拘り過ぎると良くないということはわかります。

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