不動産投資で融資が出やすいとされるのが新築アパートや新築ワンルームマンションなどの新築系です。不動産投資関連のサイトなどで条件を登録しておけば、新築アパートだけの情報をメールなどで得ることができます。
全体の相場感を見るために活用しています。東京を中心に神奈川県、千葉県、埼玉県の情報をみると不動産投資での新築アパートの需要が高くなってきた印象があります。
神奈川県、千葉県あたりの新築アパートをみれば7~8000万円のアパートが多い印象でしたが、最近は戸数が多めのアパートも出てきており、1億円の大台になるものが増えてきました。
先日も京急線沿いのアパートの情報があったのですが、戸数は12戸と多くしかも3階建てという大きさの仕様でした。値段を見ると1億2千万円との価格です。
1億円の物件なら2,000万円の頭金が必要
新築アパートで1億円の販売価格であれば、自己資金が1割プラス諸経費をみても2千万円くらいの現金を用意しておかなくてはなりません。
大手金融機関であれば3割求められてしまうので3,000万円となります。とてもではないですがサラリーマンが手を出せる金額ではありません。
しかも金利が2%台前半でシミュレーションされているのですが、でも年間のキャッシュフローが200万円少し超えるぐらいの金額です。
サラリーマンによる不動産投資ブームが流行った3~4年前であれば融資も出ていたので普通に売れていたのかもしれませんが、今後の収支計画を考えるとリスクの高い物件だと思います。
仕様は流行りの狭小アパート
仕様に関しても今、若い人に人気のある狭小アパートと呼ばれる狭小の部屋です。
都心を中心に展開している6畳以下の新築狭小アパート
- 広さは9~10平方メートル強
- ロフト付き
- ミニキッチン
- シャワー、トイレ別
先ほどの12戸のアパートは、土地の広さからすると通常であれば1Kタイプの間取りで、1フロアに3戸に設定した9戸アパートだったと思われます。
キャッシュフローを出すために敢えて12戸と最大限の戸数に設計されているのではないかと思います。
アパート経営のオーナー様の収益を考え、限られた土地に最大の部屋数を確保することで、入居者様にはアパートの家賃を安く提供でき、不動産オーナーには大きな利益を得ることができるのです。
新築アパートに1億円を出す必要はない
都内であれば少し規模のある土地であればアパートが億単位になります。しかしサラリーマンの副業レベルでの不動産投資ではそこまでの規模を購入する必要はないと思います。
価格が高い分、借入金額も多くなり返済リスクが高まります。またアパート1棟だけという点でも収入源が一か所だけになり、不測の事態の際に分散することができません。
同じ1億円の予算でアパートを購入するのなら、1億円のアパートを1棟よりも5000万円のアパートを2棟購入したほうがリスクを下げることができます。
それでも昨年話題になったシェアハウスなどでは高属性のサラリーマンが次々と1億円近い不動産を購入していたこともあるので、初心者には価格が高いほど収益が増えると勘違いして購入してしまうのだと思います。
不動産投資は必ずしも規模感だけではありません。以前であれば短期的にキャッシュフローを得たいのであれば、少々無理な条件で融資を受けて不動産を購入するのがセオリーでした。
しかし必要なキャッシュフローを長期的に得るのであれば、規模感が大きいアパートではなく、確実に返済ができる小規模なアパートのほうが良い結果をもたらすのだと思います。