退職後の生活に必要なお金はいくら貯金することが理想なのでしょうか。保険大手の「日本生命保険」がインターネット上で1万人強を対象に調査したところ、定年退職までにためておきたい金額の平均は2888万円となりました。
去年の調査と比較すると8万円も増加しているということです。今年、年金2000万円不足問題が話題となりましたが、実際には年金に加えて1.5倍の金額を求めているということになります。
高い理想ではありますが、現実的に貯めることができれば余裕を持った生活ができるようになります。
3000万円にするには年間85万円の貯金が必要
貯金は20代など早くから始めることができれば少しのお金を貯金することで理想の3000万円近くは貯めることができます。
例えば25歳から定年退職とされる60歳までの35年間働き続けるとしたら、月5万円、ボーナスに12.5万円貯金することができれば3000万円近く貯めることができます。
ボーナス:12.5万円×2回=25万円
年間:60万円+25万円=85万円
85万円×35年=2975万円
月5万円は独身であればできるかもしれませんが、家族がいる方であれば環境によっては「住居費」や「教育費」負担が重くなる場合があります。
しかし年間85万円捻出しなければ、3000万円の理想には届かないということになります。
単純な貯金だけでは厳しい場合は、投資などをうまく活用で増やすことで理想の貯金額に近づける努力が必要になります。
バブル経済絶頂期だった50代とはどんな世代
現在の50代(1960年代後半生まれ)というのは、いわゆる「バブル世代」になります。「バブル経済」という言葉自体が、今の20代の若い世代からすれば生まれる前の時代の話になります。
バブル経済は、「日本の地価でアメリカが二つ買える」と言われたほど日本の地価は高騰し、株価も現在の2倍にせまるほどの好景気の時代でした。
実際に日本の企業がニューヨークの一等地の不動産を購入するなど世界からも注目の経済大国になっていたのです。今から考えると信じられないような話です。
そしてその経済絶頂期に大学生、就職をしていたのが「バブル世代」と呼ばれる方々です。男性ならアルマーニのスーツを着て、女性であれば毛皮のコートを着て出勤していた時代です。
不動産を持っていれば転売するだけで確実に利益がでる時代ですから金銭感覚が今とは違うことがわかります。
あの狂乱の20代~30代前半を過ごしてしまうと、地道に働いてお金を稼ぐという感覚がなかったと思います。
シビアな境遇たとえ転落しても楽観的なのがこの世代の特徴とも言われています。
50代の方の「貯金」に対する方の考え方
50代の方と話す機会がありました。同じプロジェクトでお世話になった方で、会社の早期退職制度を使って退社することを決めたので食事をすることにしました。
もともと「投資」などに積極的な方で「不動産」はもちろん新しい金融系の投資も積極的に行う人でした。
今回の「早期退職制度」を使うことで「再就職」をするのかなと思いきや、隠居生活に入るとのことでした。
しかも「早期退職制度」で得たお金も「投資」に使うということです。家族が奥様だけなので中々の思い切りですが、自分には到底できることではありません。
さすがに「貯金」はしているのだろうと聞いてみたところ「一切していない」ということでした。
家も賃貸なので不動産自体を持ってらっしゃらないですが、資産と呼ばれるものは特にありません。もっとも奥様の実家が会社を経営をされていることのようなので、その点ではリスクをヘッジしているのかもしれません。
しかし、思いのほか「貯金」はしていないことに少し驚きを隠せませんでした。
50代で貯金しているのは5割しかいない
バブル世代とはいえ全部が貯金していないわけではありません。貯金の額はもちろん人それぞれです。
しかし老後を間近に控えた中高年世代でも、意外と貯蓄できていない数値結果がでています。
世論調査によると、金融資産を保有して”いない”人の割合は、50歳代で31.8%にもなっています。つまり、50歳の人の3割以上が金融資産を保有していないのです。
また預貯金の保有額に関しては、「口座はあるが残高はない」「口座を持っていない」人の合計が50歳代で52.5%です。つまり50歳の約半数は貯金がないのです。
50代は「住居費」「教育資金」や家庭の事情によっては「介護費」が重くのしかかる世代です。
その中で「老後資金2000万円不足」を50代から始めるのは、余程の覚悟が必要になってきます。
若い世代は「飲み会より貯金」という思考が顕著に出ています。バブル世代からすれば寂しい実体かもしれません。
しかし将来を堅実に過ごしていくためには「お金を増やす」「お金を増やす」ための計画性が必要になってくると思います。